誰一人欠けることなく五年生になったオリバーたち剣花団。彼らはそれぞれ、その幸せを噛み締め、卒業後の進路を考え切磋琢磨を続けていた……復讐の火を胸に宿す、青年ただ一人を除いて。
「律する天の下」の大接近が迫り、キンバリー教師陣も防衛のため連合各地へと派遣されることになるが、それは異端の導師たちが仕組んだ巧妙な罠で――
「構えなさい皆さん! 戦争ですよォ!」
かつてない危機を迎える魔法学校。空を覆い尽くす異端の幾何学の下で、オリバーやナナオたち学生は最前線で敵を迎え撃つことになる。果たして戦いの行く末は? そして、剣花団の命運は……?
実に1年2ヵ月ぶりの新刊。去年1冊も出てなかったのか、意外な。
各地で異界と繋がる『門』が開く『大接近』に合わせ、『門』の発生予測位置にキンバリーの教師たちは各地に出向している中、キンバリー間近の隠蔽された『門』のと共に、異端・聖光教団によるキンバリー侵攻が幕を開ける。残された少数の教師と生徒たちだけの絶望的な防衛戦が始まる、5年生編スタートな14巻。
歪な社会によって生じた火の粉が若者たちに降りかかる理不尽な戦争のスタート。このシリーズの世界は、特にキンバリーの中はいつも理不尽ではあるけれど。
剣火団のメンバーは適材適所でそれぞれの戦いの場に赴く。今回はオリバー、ナナオ、カティのターン。
オリバーはその性格通り堅実に確実に成長してきた姿を、敵の幹部級に対して見せつける。「お前たちは先に行け」とフラグを立てながら、堂々と強敵を倒しきる姿はまさに主人公。教師襲撃時以外のオリバーは本当に頼りになる存在だ。
ナナオは得意の箒で空中戦に。相変わらず自分の命が軽い危うさを見せながら、オリバーの言葉を胸に踏み止まり、看取った先輩の遺志を継ぐ技で一皮むける姿に胸が熱くなる。
戦闘の激しさも戦功としてもナナオが一番だったが、個人としてもっとも変化が大きかったのはカティ。覚醒と言って差し支えない。
一番大人しくて一般人に近そうなカティが単身で敵幹部を退け、その敵から恐れられる存在になるなんて下級生の頃は想像もできなかった。それだけにナナオなんかよりよっぽど魔に近くて危ういが。やっぱり彼女が最初の離脱者になってしまうんだろうか。
次回はピートが巨大ロボで発進? 行く末はア〇ロかカ〇ーユか。相対的に一番地味になってしまったシェラにもそろそろ何か大きな試練がありそう。
