いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ざつ旅謎 -That's "Mystery" Journey-」逆井卓馬(電撃文庫)

ざつ旅謎-That's "Mystery" Journey- (電撃文庫)

「ざつ旅」スピンオフは、日帰り謎解き旅?
「謎解きのテストプレイをしてみない?」
旅好きな新人漫画家の鈴ヶ森ちかは、担当編集から奇妙な提案を受ける。それは、電撃文庫から出版されるライトノベルの内容が本当に成立するかどうか、実際に謎を解いて試してほしいというものだった。
渡されたのは、一つの封筒と、細工が施された豚の貯金箱。記された不可解な文章によると、どうやら実際に街を探索して答えを導くものらしい。ちかは旅仲間に協力を求めながら、行き当たりばったりの日帰り謎解き旅へ繰り出すことに――
人気旅漫画『ざつ旅-That's Journey-』のスピンオフ小説が登場!


玉川上水、埼玉古墳群、鎌倉、江戸城跡。関東近郊の歴史を感じられるスポットを、出題された謎を解きながらゆっくりじっくり巡る日帰り謎解き旅。アニメ放映中の『ざつ旅』スピンオフ作品。
アニメ勢で漫画は見たことがないので断言は出来ないけれど、作品の雰囲気は十分に出ていたスピンオフ作品なのではないかと。ちかとその友人や先輩後輩たちのキャラクターには違和感がなかったし、無計画に歩いて巡る旅だからこそ見つけられる細かくて予想外の発見が、謎を探すという手法で再現されていた。
ただ、贅沢を言うならばアニメで視たかったなと。あの、背景だけ謎に高画質なアニメで。
ラノベとしては特殊な作りで、この本片手に歩きながら謎を探せるように作ってある関係で、地方民がこれを十全に楽しむのは難しい。この本のポテンシャルの50~60%くらい楽しむが限界か。地名や地の文の説明で地図や情景が浮かぶ地元民なら80%くらいは楽しめるかもしれない。これがアニメだったら、自分の足で赴かなくても地元民レベルで楽しめそうだと思うと、ちょっと悔しい。
また、アニメではちかの一人旅&一人だからこその雑さが好きな自分にとっては、ちか単独の旅が無かったのが残念。一人旅で黙々と謎を解くと会話がなくて地味になってしまうから、相棒を置きたくなるのは分からくはないけれど。
なんだかネガティブな感想ばかりになってしまったが、なかなかにチャレンジングな一冊で、原作の雰囲気も出ていて楽しい一冊だった。