いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「義妹生活14」三河ごーすと(MF文庫J)

義妹生活14 (MF文庫J)

親友たちとの卒業旅行。趣味も価値観もことなる4人がアイデアを持ち寄ったことで、新しい経験をし、未知の物に触れ、悠太と沙季の見える世界が広がっていく。旅行や大学生活、プロと呼ばれる大人たちとの会話を経て、二人は思い知る。日本の渋谷。通っていた高校--そんな限られた狭い場所にいるだけでは見えないものがたくさんあるのだと。自分の人生をより良いものにするために。二人の関係をより良いものにするために。沙季は、ある決断をくだす--。卒業旅行、テーマパーク、お笑い、水族館、大学生活開始、インターンシップ、子づくりの相談。自立の時を迎える“兄妹”が距離を越えた証を求め合う恋愛生活小説、第14弾。


4人での卒業旅行から大学生活始まって1ヵ月まで。珍しく沙季視点多め。
卒業旅行からシームレスに大学生活に入って驚いた。大きな生活の変化だから何かこう緊張の準備期間だとか二人の決意だとか、そういうもので区切ってくるかと思っていたので。どんなに変化が大きくても一日は一日、一週間は一週間。二人の日常を切り取ってきた作品だからこその、地続きの大学生生活のスタートだった。
その大学生編の前にまずは卒業旅行in大阪から。
二人の一番の友人である丸くんと奈良坂さん、なんと付き合ってました。な、なんだってー……気付いてなかったの悠太だけじゃないかな? 前回ですでに関係の薄いクラスメイトでも気付いてそうな空気だったもの。
ブルデートとなった卒業旅行は、なんというかこう、、、とても健全で普通に楽しそうな旅行だ。観光地でもどこか意識が高いのは進学校の子たちらしくていいのだが、学生の旅行ってそうじゃないだろう。なぜ夜の部屋の様子が無い。男部屋での馬鹿話や女部屋での赤裸々話がないのが残念でならない。それでも帰りの、楽しかったからこその寂寥感と生活が大きく変わることへの不安が涙と共に出たシーンは良かった。
そして迎えた大学生活。
大学生になり新しい出会いと人間関係が出来てきたところ浮き彫りになる、二人の擦れてなさすぎ問題。
それぞれ異性の親の所為で、男女関係に忌避感が根強くある二人。しかもこれまでバリバリの進学校に通っていたから、そういう話題を堂々と出すクラスメイトもいない状況でもあった。そんな純粋培養な少年少女が耳にする開けっ広げな性の話題の衝撃はどれほどか。それに追い打ちをかけるように告げられる母からの子づくり宣言。
二人の関係はやっぱりバレバレだったという事実は一先ず置いておいて、少し強引に感じるぐらいどうしても身体の関係を意識せざるを得ない状況に追い込んだな、と。
これは、一緒に考え意見をすり合わせて一歩ずつ進んできた二人にはかなり急激な変化に感じる。でも、奥手で傷のある二人にはこのくらい全力で背中を押してあげないと、前に進まないかもという想いも。
何はともあれ、思いが通じて一つステップアップしたのは良かった。後は変に拗れないことを祈るばかり。