「私は絶対に認めたくありません」
プロ編入試験の是非を問う臨時棋士総会が開催され、あいの前に最強の試験官が名乗りを上げた。
一方その頃、竜王防衛戦のため海を渡った八一に『谷間の世代』と呼ばれた伏兵たちが襲いかかる!
「始めようか? 居飛車と振り飛車の最終戦争を……!」
将棋二大戦法がその存続を懸けて激突する時、棋士たちもまた己の存在意義を求めて泥臭く足掻く。
序盤、中盤、終盤どこを読んでも熱い対局の連続! 全ての駒たちが躍動する本編最終巻!!
「九頭竜八一……先生。わたしをまた――――に、してくれますか?」
空前絶後の将棋ラノベ、遂に終局。
完結編。八一は竜王防衛線、銀子とあい、それと世間の目は二人の将棋人生を賭けたプロ編入試験の一戦へ。
完結編らしく主要キャラほぼ勢揃い。おそらく過去最多視点で、自信やその周りの変化、プロ編入試験への感情、対戦するあいと銀子へ想いや願いが語られる群像劇。
雷とか桂香さんとか極一部に予想外の変化が起きている人がいたものの、他はみんな納まるところに収まったと思える大団円で、最終回らしい最終回だった。20巻もあるので古い記憶は歯抜けだったり朧気だったりするけれど、ほぼ全キャラ出てくるとあって、色々な記憶が掘り起こされてしみじみするシーンが多かった。
何より良かったのが最後はちゃんと将棋が盛り上がったこと。
盤を挿んで感情むき出しで人間臭く、持ち時間がなくなり疲労もする終盤になればミスが増えて人間らしく、どんなに劣勢でも完全に勝負が決まるまでは泥臭く足掻き粘る。そして何より「熱い」。『りゅうおうのおしごと!』でずっと読んできた将棋の対局が最後にして帰ってきた。18巻で将棋の話がSFになってから熱を感じる面白い対局がなくなり、話にもついていけなくなっていたので、最後にちゃんと熱を感じられて、「面白かった」や「手に汗握った」よりもどこかホッとした。
タイトル戦を人対人に軌道修正してくれた生石先生に最大限の感謝を。タイトル戦の駆け引きも、そこに至る背景の人間ドラマも、本番に熱がないと映えないということがよくわかった。それに、やっぱおっさんが活躍するラノベは面白い。
そして最後は八一と銀子、八一のあいの話へ。
まずは姉弟子。最後の最後まで清く正しくツンデレヒロインであられました。真っ赤になってぷるぷるするかわいい生き物は最高でした。ありがとう。もう一冊、二人の結婚式がメインのエンディングが出るようなので、幸せになった姿を読むのが楽しみ。
エピローグはあい。主人公の一人として彼女が起点に物語が動くことが多く、その分小学生とは思えない厳しい境遇/状況に何度も陥ったのに、自分の目標に辿り着いた姿を見せられて感無量。その不屈の精神と一緒に、執念深さと粘着質がよく出ているラストに苦笑い。勝負師としては満点だけど、ラノベヒロインとしては0点なキャラクターだったなあ、あいちゃんw
白鳥先生、長い間お疲れさまでした。熱い物語をありがとうございました。
