想い人である小鳥遊みふるへの告白を決意した常盤孤太郎だが、適切なタイミングが見当たらず未だできないでいた。
そんな中、新作ボードゲームの買い出しにみふるが突然同行を申し出てきて――「一緒にいて楽しい人とは、たくさん遊びたいじゃん!」まさかの休日デートイベントが発生!
「腕組むとか、友達でも普通だから」
いろいろと距離が近いみふるに心揺さぶられ、告白もカウントダウンかと思いきや……。『クルマザ』常連客のウタマルから孤太郎は衝撃の告白を逆に受けることに。
秘めた想いを打ち明け一歩を踏み出し始めた三者三様の恋は次なる盤面へ!
ボドゲカフェ『クルマザ』を舞台にした三角関係ラブコメ第2弾。
前回のラストで告白を決意するも案の定煮え切らずにヘタレる主人公バンショー。今回ラブラブデートをかまし、あることをきっかけに攻めに出ることを決意するみふる。ウタマル=歌方月乃を明かし、みふるより一手前に攻めに出た月乃。
と、これだけでもすでに激動の2巻と言える内容だったのだけど、それを横から最大級のインパクトですべてを掻っ攫っていった奴らがいる。武士と半杭のバンショーの学生時代の友人の新キャラ二名。その登場方法が今回のハイライト。
「そっちかーい!」←みふる・月乃・読者、魂の叫び。
二人ともバンショーの思い出話でイメージを固めてから満を持しての登場だったのだけど、それはもう見事なミスリードだった。叙述トリックに加えてオタクのテンプレイメージが違和感なく使えるラノベだからこそできる綺麗なミスリード。おまけに口絵の人物紹介でのもう一押しもラノベならでは手法だ。これだけ独自の手法で見事に騙しておいてミステリじゃないとおっしゃる。
登場人物たちにはすれ違いを、読者には勘違いを。葵せきなの本気を見た。最高に面白かった。
それにしてもバンジョーモテるねえ。そういえば自己犠牲が強い正統派ラノベ主人公なんだよな、こいつ。
そんなわけで複雑な三角関係ラブコメかと思っていたら、ヒロイン二人追加でさらにややこしくなった恋愛模様。次回からますます楽しみだ。
まずは歌方月乃女流名人が先手を打ったが、これは大丈夫か? 相手がバンショーだと逃げの一手に終始されそうだが。
