いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか21」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 21 (GA文庫)

【ロキ・ファミリア】全滅ーー。
北の最果てより帰還したベルを待ちうけていた最悪の報せ。
都市最大派閥の『遠征』失敗と、ダンジョン60階層にアイズたちが取り残されたという現実に神々さえもが衝撃を隠せずにいた。
だが、英雄の都は終末を拒む。
「使うのは『オラリオの全軍』だ」
喊声を上げよ。すべての手札を注ぎ込み、絶望に抗え。そして――
「私ができた。なら、貴方もできる」
深紅と紺碧の眼差しが交わる時、一筋の希望に手が届く。
これは、少年が歩み、女神が記す
――【眷族の物語】――


オラリオの総力を挙げて臨むロキ・ファミリア救出作戦。ベルは穢れた精霊に囚われたアイズを救い出せるのか!?な21巻。
トップファミリアの喪失はオラリオにおける大損害だけでなく、人類存亡の危機に直結する。そんな危機的な状況で、作戦に参加する冒険者たちに学区の生徒や教師たちは、失敗できない心理的な圧迫と安全マージンを取れない命懸けの戦いを強いられ、シリアスの前にいくつ「ど」が付くのかという空気感。
そんな常にギリギリ精神状態だった登場人物たちには悪い気がするが、やっていることがオールスター大運動会なので読んでいるこちらとしては、大盛り上がりでめちゃくちゃ面白かった。
総力戦とあってダンジョンに捕らえられた一部のメンバー以外は大体出てくる豪華な布陣に、魔道具を使って神々も司令室ポディションで参戦とまさにオールスター。これだけでもワクワクが止まらないのに救出作戦の作戦内容がトンデモで面白い。
疑似立杭(シャフト)。本隊以外の冒険者たちでダンジョン内のモンスターを抑え、救出隊本隊を損耗なく最速で行かせる鬼畜眼鏡考案のトンデモ作戦。まるで「ここは俺に任せて先に行け」を冒険者みんなでやり合うお祭りの様。必死の参加者には悪いが大変楽しい。第60層到達後は色ボケ女神フレイヤ様のちょっかいによってベルに生えたトンデモスキルを使っての強行軍。まさか主人公を使ってのゾンビアタックするとは。このベルの無限スター状態が原因で、緊張感が薄れて大運動会感が出てしまった感がある。
そして後半は、深層では階層ボスや穢れた精霊が次々と出てくるボスラッシュ。
そこからは個の戦いにそれぞれの想い、信念、葛藤を織り交ぜ熱く語られるいつものダンまち。個人的にはベートのツンデレが極まった意地と優しさと、ウィーネの成長がおすすめの見どころ。
最初から最後まで全力で走り続けた厚くて熱い一冊だった。面白かった。
ロキファミリアのトップ三人やアマゾネス姉、椿など何人か出てこなくてどうなったかわからない人物がいるが、それはソードオラトリアの方で語られているのかな? あちらを読むのも楽しみだ。