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ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeアスフィ」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeアスフィ (GA文庫)

それは神の眷族が紡ぐ歴史の欠片――。
「『幽霊船』?」
多忙な日々を送るアスフィのもとに届いた冒険者依頼。港街沖に出没する謎の『幽霊船』に、用心棒のリューとともに乗り込むヘルメス・ファミリアだったが、
「メリルとネリーが幽霊にさらわれた! それに……疾風まで!!」
数多の亡霊、消える仲間、相次ぐ怪奇現象。船は魔境に誘うように海を進み、辿り着いた先は――在りし日の海底都市。
「私の故郷……海国(デイザーラ)!?」
混沌渦巻く霧と海の迷宮の中、究明の刃を【万能者】が突き立てる!
海国の王女が英雄の靴を履く前日譚も収録されたクロニクル・シリーズ第四弾!


幽霊船騒ぎを発端にした船乗りと冒険者の行方不明事件にヘルメス・ファミリア+用心棒リューで挑む『ファルケンバーグに花束を』と、アスフィ出生の秘密と不幸にもヘルメス・ファミリアに入ってしまったエピソードが語られる『Damsel in distress ~Hello Perseus!!!~』の長編二編を収録したファミリアクロニクル episodeアスフィ
どちらの話もアスフィの出身である島国とその周辺を舞台に、オラリオを敵視する魔法大国アルテナとの因縁がキーになっていて、本編では万能選手の便利屋な彼女の為人を掘り下げ、良く知れる物語となっている。
流石はオラリオで苦労人ランキング断トツ一位をひた走るアスフィさん(大体神ヘルメスの所為)の物語、生い立ちも巻き込まれる事件もそれはもう不幸というか気の毒というか、「アスフィさん強く生きて」って言いたくなる。
特に『Damsel in distress ~Hello Perseus!!!~』は周りの大人が親も城内の人間も助け出す方までもクズばかり。少女アスフィがキレ散らかすのもしょうがない。苦労人人生が約束されていたの様なエピソードに苦笑と涙を禁じ得ない。
ファルケンバーグに花束を』で特筆すべきは、本人よりも助っ人の方かも。
主人公が女性でもヒロインと化してしまうリューさんのヒロイン力よ。本人はクールでお姉さんを気取りたい方なのに、隠せない下の子属性とヒロイン気質。強キャラのはずなのにお姫様抱っこが似合うこと。
『Damsel in distress ~Hello Perseus!!!~』では特に強調されずにサラッと出てきた眼鏡の秘話が気になる。このシリーズには他に眼鏡キャラがいないのでアスフィのトレードマークになっている眼鏡。今の眼鏡はこの時の眼鏡のままなんだろうか?
ド迫力とド緊張の本編&外伝の後とあって、気楽に読める良いエピソードだった。

執筆協力:西島ふみかる とあるが著者名は大森藤ノのまま。どの程度西島先生が描いているのだろう。全然違和感がなかった。