いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「新学期にだけ見える星座」似鳥鶏(創元推理文庫)

新学期にだけ見える星座 (創元推理文庫)

茶道華道部の活動場所である作法室で、誰もいなかったはずなのに壺が割れた「さまようツボ」事件。これが市立高校に入学したばかりの俺・中内修太郎が出合った最初の事件だった。美術部の三年生・葉山先輩は、手慣れた様子で調べ始め……!? 他に幼馴染みの岩境ひなが巻き込まれた、男子バスケ部の部室での奇妙な盗難事件など、市立高校内外での事件と謎を巡る、シリーズ最新刊。

約五年ぶり、久々の市立高校シリーズ第9弾。帯に第8弾とあるけど正しくは9冊目。


あとがきのインパクトが強すぎて本編の内容がすっ飛んだんだがw
14ページ隙間なくぎっしり書かれた大ボリュームで方向音痴について語られたあとがき。本編のどの章よりも熱量が凄い。

肝心の本編の方は新学期のスタート。葉山君は最上級生に。そしてなんと美術部には待望の新入生が!
その内の一人が、地元の大地主のボンボンなのに本人は極めて普通でモブっぽい中内くん。全体の半分は彼の視点で物語が進むので、新入生の視点で市立文化部のカオスや上級生達の奇人ぶりが見えて、改めて変な学校だと再認識させてくれるのが面白い。その中で一番の発見は、外から見た葉山君。伊神さんとか柳瀬さんとかスーパースターたちに囲まれてたから目立っていなかったけど、なんでもかんでも理論的に理由を付けたがるこの主人公も変人奇人の類だわ。そうじゃなきゃあの鬼才達と人付き合いなんて出来ないか。特に伊神さんは。
物語のもう半分はその奇人、葉山君視点。要するにいつも通りの市立高校シリーズ。
こちらは・・・柳瀬さんとイチャイチャしてた事しか印象に残ってないのですが? ことある毎にスキンシップを求めてくる美人女優(の卵)な彼女。なにそれズルい。何はともあれ交際順調なようで何よりです。第二章で突然伊神さんに部屋に押しかけられ、このバカップルに中てられた独り身の徳田氏への同情を禁じ得ない。
ミステリとしては前提の不自然を疑えって話が多かった。真実やトリックは至ってシンプル。その章の語り部である葉山や中内が可能性を求めて考え出したトリックの方が奇抜で面白く、迷走や空回りしていたのが印象的。
次もでるかな? 前回も五年ぶりだったから次も五年で出てくれればいいが。今回出てこなかったミノくんと秋野ちゃんは元気だろうか。