《ALO》内の新生アインクラッドで開催される大規模カジノイベント『カラーアップ・パーティー』。
景品のレア武器『タイタンズ・ネイル』を欲しがる友人の妹・遥のため、元ギャンブラーの巴啓司は軽い気持ちでイベントに乗り出す。
リアルでの腕前に自信を持っていた啓司だったが、不可解な大敗を喫し、カジノから叩き出されてしまう。そんな彼の前に現れた、謎多きバニーガール・バナナサン。彼女が囁いたのは、このカジノに隠された”VRMMOの未来を揺るがす巨大な陰謀”だった――。『カラーアップ・パーティー』攻略のため、啓司とバナナサンの奇妙な共闘が始まる!
金と誇りを賭けた、『SAO』×『ギャンブル』公式スピンオフ!
電撃文庫恒例のSAOのスピンオフ作品。
これまで多くの作家さんがSAOの世界で色々な物語を紡いできたが、今回は『賭博師は祈らない』でデビューした周藤蓮先生が、そのデビュー作以来のギャンブルを引っ提げて登場。ALOをメインの舞台にし、SAOサバイバーとGGOのゲーム性を絡めたストーリーで、しっかりとSAOの世界が感じられる物語になっている。
まあ、そんなことよりギャンブルですよ。周藤先生×ギャンブルということで、レッドドックなどの単純なカードゲームに莫大な金や人生を賭ける、狂気の中でしか生きられないクレイジーでやべー奴らのガチンコ勝負。如何にバレずにイカサマをするか/それを見破るか、ディーラーと客という対手ではない立場で如何に五分の勝負に持ち込むか、相手の全てを読み合うひり付く心理戦。そういうのを期待して、大体その通りのものが出てきた。
・・・出てきたんだが、そこに行くまでが長かったのと、その割に勝負が一瞬でついてしまったので、やや物足りなさを感じている。
単発作品だと、登場人物たちの為人と背景の説明にどうしても尺がとられてしまう。その人の性格が分からないと登場人物たちに感情移入なんて出来ないし、その背景があってこその勝負事なので、省くわけにはいかないのが痛いところ。
無表情系お姉さんヒロインとわがまま妹系幼馴染みヒロインのダブルヒロインに、ザ・ヤベー奴なサブヒロインとキャラクターは良かったし、主人公はまだまだ本気を出せてない感じなので、出来ることならこの物語の続きが読みたい。登場人物たちの説明が短くなれば、もっと濃い勝負が拝めそう。
