いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



スクランブル・ウィザード4 (HJ文庫)

スクランブル・ウィザード4」すえばしけん(HJ文庫)
スクランブル・ウィザード4 (HJ文庫)

ついに姿を現した一花。十郎の姉であり、最強クラスの天才魔法士でもある一花は、暴力的な方法で現状を強引に変えようと動き始める。
一方、事態に危険を感じた十郎は、月子をわざと突き放す。それでも十郎の力になりたい月子。能勢や友人たちの協力を得て一花の心情に迫り、やがて自分が進むべき道を見出していくが……。
さまざまな思いが折り重なる、衝撃の第4巻!!


怖いお姉さん編
帯に「敵は天才ヤンデレ魔法士!!」とあるからどんなものが出てくるのかと思ったら、もっと精神的な話じゃないか。編集部空気読め。
一花は月子の鏡のように見えた。
一花にまつわる心が強さと期待されるということの話はかなり極端な例だったけど、これまでの月子を見ているようだった。能力だけじゃなく中身まで似た者同士だったとは。だからこそ幸か不幸か分かり合えてしまったし、あんな結末にも・・・。
絶対に良かったとは言えない結末だったけど、月子に道を示してくれたことだけでも一花の救いになったと信じたい。
そんなわけで事件は思いの他あっさりと片付いてしまったが、中身の人間ドラマは濃くて良かった。飛び抜けた力を持つ二人の対決が魔法が主ではなく言葉が主だったのが印象的。
で、エピローグは、、、
ちょっそれプロポーズw 相手は小学生ですよ、十郎先生!
でも十郎がそんな言葉を言いたくなるほど二人の周りは敵だらけなのも確か。PM社はもちろん月子の家族も同僚も敵になりそうだし、エピローグでの爺の一言は世間すら敵になることへの暗示にも読める。
一先ず一区切り付いた感じなので次は誰がどこから襲ってくるのか分らないけど、折角プロポーズ?してもらったんだから月子の幸せそうな姿もあるといいなぁ。