イリアス嬢の護衛任務が終了し、ピニングに帰還するナオたちに、街で起きている謎の行方不明事件の捜査依頼が持ち込まれた。捜査は難航するも、予想外の犯人を突き止め、見事事件を解決するナオたち。その後、任務の報酬として手に入れたダンジョンの探索、ロッククライミングにキノコ狩り、お花見パーティーと、異世界での生活を満喫する中、パーティーの夜、ナオはハルカを呼び出し、月明かりの下でついに長年の想いを告げるのだった――。
護衛任務とナオとハルカの一大イベントを終えて、ピニングに帰ってきたところから。領主のお膝元ピニングで起きている行方不明事件の捜査依頼をされるナオ達。
事件捜査がweb版とメンバーが違えば事件の結末以外の展開も違う、まるっと書き直しのほぼほぼ書き下ろし状態。顛末が分からないままフェードアウトしていたあの人もまさかの再登場で二重の驚き。おかげで新鮮な気分で読めた。面白かったのは、捜査の方ではなくて幕間のメアリ、ミーティア、イチアスの三人娘の小さな冒険。女の子三人なのに小学生の男子的なワクワク感があった。ほぼミーティアの所為な気がするけど。
ただ、別行動をカットしたのでディオラさんの怨嗟の声が聞こえてきそうではあるw「ディンドルディンドルディンドルディンドルディンドルディンドルでぃんどるでぃんどる・・・・・・」
後半は本拠地に帰って、花見という名の異世界一周年お疲れ様会とナオの指輪準備。
サプライズで指輪の準備をした関係で、ハルカではなくユキがナオの隣にいることが多い、所謂ユキのターンだったのだけど……。
一生懸命なユキには悪いが、必死すぎて引く。
分かっていたとはいえ好きな男の子が他の娘とくっついて、しかも諦めて次とは割り切れない異世界という特殊な環境で焦る気持ちは十分わかるのだけど、それでも痛々しくて見ていられない。仕事の愚痴と結婚できなさでくだを巻いていたディオラさんが可愛く見えるレベル。
それに最後のあれは駄目だ。人間やっていいことと悪いことがある。ハルカ様からの折檻は甘んじてください。当然の報いだから。
前半がほぼ書き下ろしだったからか、三人娘の小さな冒険がその役割だったのか、恒例のクラスメイトによる書き下ろしサイドストーリーが無かったのが残念。
翡翠の羽の三人はやっぱりナオたちとは会えない運命なのね。まあそうだとは思ってたけどw