いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



小説

「木曜日にはココアを」青山美智子(宝島社文庫)

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。そのカフェで出された一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー。卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。小さな出来事がつながって、最後はひとりの命を救う―…

「ニセモノ夫婦の紅茶店 ~あの日の茶葉と二人の約束~」神戸遥真(メディアワークス文庫)

神経質で毒舌な秀二と、明るくて社交的なあやめ。紅茶専門の喫茶店『Tea Room 渚』を営む“夫婦”は、実は4つのルールで結ばれた赤の他人同士だ。偽りの関係を通して次第に秀二への恋心が高まるあやめだけど、気になるのは《どちらか一方の申し出で、いつでも…

「漆黒の狼と白亜の姫騎士 英雄讃歌1」森山光太郎(メディアワークス文庫)

端整な顔立ちに幼さを残す少年──エゼアル・スラヴァード。フェガリ皇国に彗星のごとく現れた将校は、内に恐るべき戦の才を秘めていた。 隣国、アウルム王国にも時同じくして、一人の少女が出現する。神将と名高い元帥の秘蔵っ子ルーナ・ミセリア。 後世、革…

「あなたに謎と幸福を ハートフル・ミステリー傑作選」(PHP文芸文庫)

“ビストロ・パマル”のシェフ・三舟の推理が、思わぬ温かな真相を導く「割り切れないチョコレート」、息子から恋人がストーカー被害に遭っていると相談された探偵が、事件に立ち向かう「鏡の家のアリス」。そして、駅に伝言を残すことで気晴らしをしていた主…

「小説 天気の子」新海誠(角川文庫)

高校1年の夏、帆高は離島から家出し、東京にやってきた。連日降り続ける雨の中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は不思議な能力を持つ少女・陽菜に出会う。「ねぇ、今から晴れるよ」。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――。天候の調和が狂っていく…

「シャルロットの憂鬱」近藤史恵(光文社文庫)

シャルロットは六歳の雌のジャーマンシェパード。警察犬を早くに引退し、二年前、浩輔・真澄夫婦のところへやってきた。ある日、二人が自宅に帰ってみると、リビングが荒らされており、シャルロットがいない! いったい何が起こったのか。(表題作) いたず…

「ぶたぶたのティータイム」矢崎存美(光文社文庫)

ふだん離れて暮らす母親を喜ばせようと、お邸のアフタヌーンティーにお呼ばれした凪子。新緑の庭に、英国風のお菓子とおいしい紅茶を運んできたのは、想像を超えた、とてもユニークな人物(?)だった――(「アフタヌーンティーは庭園で」)。 中身は中年男性、見…

「ひとり飲みの女神様 2杯目」五十嵐雄策(メゾン文庫)

秋本番。お酒大好きOL月子が出かけたのは、東京・青梅の蔵開き。『純米生原酒しぼりたて』に『純米大吟醸』、三百年ものの杉で作った木桶で寝かせた日本酒に、梅酒や竹酒……。ずらりとそろう銘柄を前に“日本酒帝王"月子はどこまで飲み干せるか!? さらに、昔は…

「夏の探偵は学生しかしない」山本豪志(徳間文庫)

野島芳生は社会心理学科の准教授今井由里子の研究室へ見学に行くため、東央大学渋谷キャンパスを歩いていた。すると人だかりが出来ていて、何事かと事情を聞いてみると女子トイレが盗撮されたらしい。容疑者は猿顔を真っ赤にしながら無実を叫んでいる。研究…

「アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー」編:S-Fマガジン編集部(ハヤカワ文庫JA)

百合――女性間の関係性を扱った創作ジャンル。創刊以来初の3刷となったSFマガジン百合特集の宮澤伊織・森田季節・草野原々・伴名練・今井哲也による掲載作に加え、〈ソ連百合〉として話題の南木義隆「月と怪物」、新鋭女性作家の共作「海の双翼」、『元年春之…

「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編」武田綾乃(宝島社文庫)

久美子たち三年生部員にとって最後となる吹奏楽コンクールを控え、さらに練習に熱が入る北宇治高校吹奏楽部の部員たち。波乱のオーディション、滝の方針への疑念、自身の進路……苦悩する久美子は、ついに麗奈とぶつかってしまう。はたして久美子は最大の試練…

「文具店シエル ひみつのレターセット」さとみ桜(メディアワークス文庫)

うら寂れた商店街の一角にある文具店・シエル。突然店を任された空良は、無愛想な看板猫と共に毎日店に立つ。店にやってくるのは様々な悩みを抱えた人たち。文具にはその用途だけではなく、その先の想いを伝える力があると感じた空良は、彼らに最適な文具を…

「世界で一番かわいそうな私たち 第三幕」綾崎隼(講談社タイガ)

フリースクール〈静鈴荘〉に通う岩瀬知香は、中学校への復学を強要する母親との問題に悩んでいた。彼女が学校に行けない「本当の理由」を告げられた新米教師の佐伯道成は、先輩教師の舞原杏と救済の道を探す。そして明らかになる杏に隠された「世界で一番か…

「谷中びんづめカフェ竹善 猫とジャムとあなたの話」竹岡葉月(集英社オレンジ文庫)

谷中に住む女子大生の紬は、故郷の母親が送ってくる大量の野菜に困惑していた。思いあまって捨てようとしたところ、謎の英国人男性にとがめられ、彼の営む“びんづめ専門カフェ”に連行される。そこで紬は、野菜たちが保存食として生まれかわっていくのに感動…

「STAiRs, be STAR! 怪談アイドルはじめます。」峰守ひろかず(富士見L文庫)

新倉隆治は、結成したばかりのアイドルグループ「STAiRs」の一員だ。メンバーは硬派なダンサーの雷汰、しっかり者で子役上がりの千博、おっとり神秘的なつぐみと合わせて4人。隆治としては、今度のPV撮影をきっかけに、少しずつ皆と親睦を深めたい……。 とこ…

「きみの世界に、青が鳴る」河野裕(新潮文庫nex)

真辺由宇。その、まっすぐな瞳。まるで群青色の空に輝くピストルスターのような圧倒的な光。僕の信仰。この物語は、彼女に出会ったときから始まった。階段島での日々も。堀との思い出も。相原大地という少年を巡る出来事も。それが行き着く先は、僕と彼女の…

「ネガレアリテの悪魔 贋者たちの輪舞曲」大塚 已愛(角川文庫)

19世紀末、ロンドンの画廊で展示されたルーベンス未発表の「真作」。エディスはその絵に目を奪われるが、見知らぬ美貌の青年は「贋作」と断言した。数日後に画廊を再訪したエディスは、突如色彩が反転した世界に閉じ込められ、絵の中から現れた異形の怪物に…

「ふしぎ荘で夕食を ~幽霊、ときどき、カレーライス~」村谷由香里(メディアワークス文庫)

『最後に食べるものが、あなたの作るカレーでうれしい』 家賃四万五千円、一部屋四畳半で夕食付き。平凡な大学二年生の俺・七瀬浩太が暮らす深山荘は、オンボロな外観で心霊スポットとして有名だ。 暗闇に浮かぶ人影や怪しい視線、謎の紙人形……次々と不思議…

「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編」武田綾乃(宝島社文庫)

部長=黄前久美子、副部長=塚本秀一、ドラムメジャー=高坂麗奈の新体制で新年度を迎えた新・北宇治高校吹奏楽部。またもや少々クセのある新入部員に加え、今年は強豪・清良女子高校からの転入生である黒江真由が入部したことにより、部内に再び波乱が巻き…

「新宿もののけ図書館利用案内」峰守ひろかず(メゾン文庫)

新宿・舟町の住宅街にひっそりと佇む深夜営業の「新宿本姫図書館」。本を返す時には必ず別の本を添えなければならないという奇妙なルールがあるこの館には、人間でないものばかりが訪れる――。人間の身でありながら、訳あって本姫図書館で働くことになった末…

「時給三〇〇円の死神」藤まる(双葉文庫)

「それじゃあキミを死神として採用するね」ある日、高校生の佐倉真司は同級生の花森雪希から「死神」のアルバイトに誘われる。曰く「死神」の仕事とは、成仏できずにこの世に残る「死者」の未練を晴らし、あの世へと見送ることらしい。あまりに現実離れした…

「誰がために鐘を鳴らす」山本幸久(角川文庫)

来年には廃校、共学なのに女子がゼロ、の高校に通う錫之助。担任のダイブツに頼まれて、同級生の土屋、播須、美馬と音楽室を片付けていたら、昔使われていたハンドベルを見つける。女子高との合同練習目当てに4人はハンドベル部を結成することに。チームワー…

「妖怪解析官・神代宇路子の追跡 人魚は嘘を云うものだ」峰守ひろかず(メディアワークス文庫)

鷹橋川で発見されたミイラ化した遺体の上半身と、それに合致する巨大な魚の下半身。 怪事件に悩まされていた新米刑事の御堂陸は、手がかりを求め、美貌の科学者・神代宇路子の許へ押しかけることに。私生活はちょっぴりだらしないが、妖怪、特に人魚について…

「世界で一番かわいそうな私たち 第二幕」綾崎隼(講談社タイガ)

フリースクール〈静鈴荘〉で教師として働きはじめた佐伯道成は、一人の生徒を追い詰める深刻なトラブル――謂れのない罪の告発と嫌がらせに直面する。大人の悪意から子どもを守ろうと必死に奔走する佐伯だったが、先輩教師の舞原杏が選択した救済のカタチはあ…

「さとり世代の魔法使い」藤まる(双葉文庫)

「北条雫、19歳。どこにでもいる平凡な女子大生のようですが…実はわたし、平成最後の魔女なんです!」祖母から魔女の能力を受け継いだ雫の前に、ある日、10年ぶりに幼馴染の爽太が現れた。「魔法で人助けなんて時代遅れ」とすっかり冷めている雫だが、爽太は…

出張移動中の読書

近藤史恵さんの『サクリファイス』シリーズの二作目から最新刊まで。 『サクリファイス』は犯人は?手口は?なミステリだったのに対し、それ以降の物語は人間ドラマと自転車競技の魅力を伝えることに注力している感じだった。但し、誰かから聞かされたその人…

「叡智の図書館と十の謎」多崎礼(中公文庫)

どこまでも続く巨大な砂漠の果て、そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者は神に等しい力を手に入れる図書館があるという――長い旅路の末、たどり着いた旅人がひとり。鎖に縛められたその扉を開かんとする彼に守人が謎をかける。鎖は十本、謎も…

「ニセモノ夫婦の紅茶店 ~あなたを迎える幸せの一杯~」神戸遥真(メディアワークス文庫)

穏やかな海辺の町、千葉の館山にひっそりと建つ紅茶専門の喫茶店『Tea Room 渚』。店を営む“夫婦”には、4つのルールがある。 1.互いの部屋には入らない。 2.共同生活に関わることは一人で判断しない。 3.本当の夫婦でないことは他言しない。 4.どちらか一方…

「美酒処 ほろよい亭 日本酒小説アンソロジー」前田珠子他(集英社オレンジ文庫)

日本酒好き男子VSワイン好き女子による川中島合戦、開幕?スマホ在住の「桜の神様」に振り回された女子の奮闘? 日本酒好きな父の無茶振りに娘は? 居酒屋で酔いつぶれた謎の女を拾った男は? 女友達と飲んでいたらあれよあれよと扉が開いて? カタブツ女子…

「おいしいベランダ。 スミレと6粒のチョコレート」竹岡葉月(富士見L文庫)

栗坂まもりは、イケメンだけどベランダ菜園マニアの亜潟葉二とお隣さんで恋人どうし。 マンション改装も終わった冬。張り切って新たにスミレをベランダ菜園にお迎えしたまもり。バレンタインにこの花を活躍させる計画でわくわくする一方、友人の湊と周の間に…