いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



小説

「キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ」長月天音(角川文庫)

街の裏路地で、夜から翌朝まで開く「キッチン常夜灯」。同期のみもざに連れてこられて以来、ここを訪れるのが、つぐみの唯一の楽しみだ。涼しげなヴィシソワーズ、とろけるシェーブルチーズのサラダ、若鳥のバスク風煮込みーー。現座に疎まれる本社勤務は、…

「キッチン常夜灯」長月天音(角川文庫)

街の路地裏で夜から朝にかけてオープンする“キッチン常夜灯”。チェーン系レストラン店長のみもざにとって、昼間の戦闘モードをオフにし、素の自分に戻れる大切な場所だ。店の常連になってから不眠症も怖くない。農夫風ポタージュ、赤ワインと楽しむシャルキ…

「レーエンデ国物語 夜明け前」多崎礼(講談社)

四大名家の嫡男・レオナルドは佳き少年だった。生まれよく心根よく聡明な彼は旧市街の夏祭りに繰り出し、街の熱気のなか劇場の少女と出会う。――そして、真実を知り、一族が有する銀夢草の畑を焼き払った。権力が生む欺瞞に失望した彼の前に現れたのは、片脚…

「キッチンつれづれ」アミの会(光文社文庫)

八人の作家が描き出す、家族や大事な人との悲喜こもごも。「対面式」(福田和代)、「わたしの家には包丁がない」(新津きよみ)、「お姉ちゃんの実験室」(永嶋恵美)、男の料理教室で事件を推理「春巻きとふろふき大根」(大崎梢)、「離れ」(松村比呂美…

「石狩七穂のつくりおき 家事は猫の手も借りたい?」竹岡葉月(ポプラ文庫ピュアフル)

四季折々の植物が生い茂り、猫が訪れる古民家で、隆司と暮らしはじめた七穂。抜群の家事能力を生かして立ち上げた家事代行サービス「KAJINANA」には、「対等で完璧な折半」を目指す共働き夫婦や、幼い娘のために亡くなった妻のカレーの味を再現してほしいと…

「冬期限定ボンボンショコラ事件」米澤穂信 (創元推理文庫)

小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人を…

「VR浮遊館の謎 ―探偵AIのリアル・ディープラーニング―」早坂吝(新潮文庫nex)

人工知能探偵・相以(あい)と助手の輔(たすく)は、世界初のフルダイブ型VRに挑戦! あらゆるものが浮遊する館で、相以は魔法使いに変身! 早速、犯人当てゲームの最速クリア法を提案する。「一人ずつ殺していけばいいと思います!」ゲームとは思えない生…

「ビブリア古書堂の事件手帖 IV ~扉子たちと継がれる道~」三上延(メディアワークス文庫)

三つの時代をまたぎ紐解く、鎌倉文庫の謎 まだ梅雨の始まらない五月の終わりの鎌倉駅。よく似た顔立ちだが世代の異なる三人の女性が一堂に会した。 戦中、鎌倉の文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」。千冊あったといわれる貸出本も発見されたのはわずか数…

「凜として弓を引く 初陣篇」碧野圭(講談社文庫)

発足したばかりの武蔵野西高校(通称ムサニ)弓道同好会は、女子三人男子三人で初めて試合に挑む。部長の矢口楓をはじめメンバーは調子の出ないまま試合を終える。悔しさをバネにそれぞれ課題をもって練習に臨み、次の試合へ。そして、ムサニ弓道の快進撃が始…

「神さまのいうとおり」谷瑞恵(幻冬舎文庫)

「会社を辞めて農業をしたい」。父親が突然宣言し、高校生の友梨は曾祖母の暮らす田舎に引っ越すはめに。主夫となった父親や同級生との関係に悩む友梨に曾祖母が教えてくれたのは、絡まってしまった糸をほどくおまじないだった。最初は、疑心暗鬼な友梨だっ…

「シャーロック・ホームズの凱旋」森見登美彦(中央公論新社)

「天から与えられた才能はどこへ消えた?」舞台はヴィクトリア朝京都。 洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!?----- この手記は脱出不可能の迷宮と化した舞台裏からの報告書である。 いつの間にか迷いこんだその舞台裏におい…

「この銀盤を君と跳ぶ」綾崎隼(角川書店)

二ヵ月後にオリンピック開催を控えた、全日本フィギュアスケート選手権。この大会には日本女子フィギュアの歴史を変える選手二人が揃った。卓越したセンスと表現力を持つ完璧主義者・京本瑠璃。圧倒的身体能力でジャンプの限界を超越する雛森ひばり。波乱続…

「紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所」ほしおさなえ(角川文庫)

大学卒業後、晴れて藤崎産業に入社した百花は記念館準備室に配属され、川越での新記念館開館に向けたプロジェクトに携わることに。どのような場所にすれば、人々に和紙の魅力を伝え、活用してもらうきっかけになれるのか。時にプレッシャーを感じながらも一…

「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 巡る季節のミネストローネ」友井羊(宝島社文庫)

早朝にひっそりと営業しているスープ屋「しずく」の常連客の理恵。ついにシェフの麻野に告白したが「待ってほしい」と言われ……。山菜採りがてら手伝うことになった恩人の遺産探し。夏の沖縄で起きた不可思議な出来事。秋の弁論大会と引っ搔き事件。フードロ…

「雑草姫のレストラン」賀十つばさ(新潮文庫nex)

八ヶ岳のふもとにある道の駅で働く茂花(ルビ・もか)は、有名レストランのシェフだった姉の夕花(ルビ・ゆうか)とともに東京から移住してきた。自然豊かな山では、山菜だけでなく雑草までもが美味な素材。ウドの天ぷら、タンポポのピッツァ、レンゲソウの…

「レーエンデ国物語 喝采か沈黙か」多崎礼(講談社)

ルミニエル座の俳優アーロウには双子の兄がいた。天才として名高い兄・リーアンに、特権階級の演出家から戯曲執筆依頼が届く。選んだ題材は、隠されたレーエンデの英雄。彼の真実を知るため、二人は旅に出る。果てまで延びる鉄道、焼きはらわれた森林、差別…

「おいしい旅 しあわせ編」大崎梢、近藤史恵、篠田真由美、柴田よしき、新津きよみ、松村比呂美、三上延(角川文庫)

祖母と一緒に行くはずだったお伊勢参り。急なトラブルでひとりでお参りすることになった元喜は、ある男の子と出会う(「もしも神様に会えたなら」)。 幼い頃に引っ越し、生まれ故郷の記憶はまるでない。両親の思い出話を頼りに故郷をめぐる旅に出るが……(「失…

「異世界居酒屋「げん」」蝉川夏哉(宝島社文庫)

東京某所で店を開いていた居酒屋「げん」は、葦村草平が切り盛りしていた。草平が閉店を考えた矢先、突然店の出入り口が異世界の王都ラ・パリシィアに繋がってしまう。不思議なお客を受け入れながら、心変わりした草平は店を続けていくことを決める。娘のひ…

「アンと愛情」坂本司(光文社文庫)

成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。 これからもそんな日常が――と思いきや…

「さよならの言い方なんて知らない。8」河野裕(新潮文庫nex)

現実世界の桜木秀次郎からのメッセージは、香屋歩に「切り札」を与えた。架見崎を破滅へと導くウロボロスへの対抗策を。……時を同じくして、平穏な国と世界平和創造部は戦争へと突入する。戦端を開いたのは、月生亘輝と白猫。「最強」と呼ばれる二人が、互い…

「レーエンデ国物語 月と太陽」多崎礼(講談社)

名家の少年・ルチアーノは屋敷を何者かに襲撃され、レーエンデ東部の村にたどり着く。そこで怪力無双の少女・テッサと出会った。 藁葺き屋根の村景や活気あふれる炭鉱、色とりどりの収穫祭に触れ、ルチアーノは身分を捨てて、ここで生きることを決める。しか…

武士道シリーズ全4巻

先日の出張のお供。 移動時間だけで11時間以上あったので、全4冊読み終わってしまった。 父が警察官だったこともあり幼少期から剣道一直線な少女・磯山香織。前世は猪か野武士か、とても女子とは思えないガサツで好戦的な真っすぐすぎる珍獣猪娘。 元々は日…

「可燃物」米澤穂信(文藝春秋)

彼らは葛を良い上司だとは思っていないが、葛の捜査能力を疑う者は、一人もいない。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ…

「湯治場のぶたぶた」矢崎存美(光文社文庫)

ふっと、休みたくなる時がある。身体をいたわって、滋味あふれる美味しい食事をとり、心を洗濯する――そんな思いを叶えてくれる小さな湯治場がここにあります。少し元気がない時は、鞄ひとつを持ってふらりと訪れてください。ビワがなる山里と豊かでいいお湯…

「六人の嘘つきな大学生」浅倉秋成(角川文庫)

IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った波多野祥吾は、他の五人の学生とともに一ヵ月で最高のチームを作り上げうという課題に挑むことに。うまくいけば六人全員に内定が出るはずが、突如「六人の中から内定者を一人選ぶ」ことに最終課題が変更される。…

「レーエンデ国物語」多崎礼(講談社)

聖イジョルニ帝国フェデル城。家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。 空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。その数々に魅了さ…

「月曜日の抹茶カフェ」青山美智子(宝島社文庫)

桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」では、定休日の月曜日に抹茶カフェ」が開かれ――。 ツイていない携帯ショップ店員、愛想のない茶問屋の若旦那、祖母が苦手な紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将……。 一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ1…

「物語の種」有川ひろ(幻冬舎)

読めば心が躍り出す。 ほっこり&胸キュン全十篇の物語! 読者から「物語の種」(エピソードでも写真でもフレーズでもO.K.)を募集して、その中から選ばれた物語の種を著者が広げて小説にした十編の短編集。 その内くっ付きそうな若者二人が出て来るほのかな…

「お探し物は図書室まで」青山美智子 (ポプラ文庫)

「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」 仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。自分が本当に「探して…

「シュレーディンガーの少女」松崎有理(創元SF文庫)

すべての65歳に例外なく、プログラムされた死が訪れる世界。肥満者たちをテレビスタジオに集め、公開デスゲームを開催する健康至上主義社会。あらゆる数学を市民に禁じ、違反者を捕らえては刑に処している王国。はたまた日々の食卓から、秋刀魚が消え失せて…