いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



小説

「就業規則に書いてあります!」桑野一弘(メディアワークス文庫)

平河東子は大手企業人事部の労務管理。社員皆が健やかな職場環境を作る事にやりがいを感じていた。だが業績悪化でリストラに。叔父の伝で再就職したのは、違法すれすれの労働が蔓延る、下請けのアニメ制作会社だった――! 過剰な労働時間、最低賃金を大幅に下…

「旋律月下」綾崎隼(メディアワークス文庫)

家族でも見分けられない双子、舞原月乃と今宵。月乃は誰からも好かれる朗らかな性格で、妹の今宵は大人びた物静かな少女だった。 月乃に恋をした望月洋平は彼女と同じ大学を目指すが、受験に失敗し、経済的な事情から浪人を両親に禁じられてしまう。 現実の…

「幽霊たちの不在証明」朝永理人(宝島社文庫)

羊毛高校文化祭の二日目の午後、二年二組のお化け屋敷で、首吊り幽霊に扮していたクラス委員・旭川明日葉の絞殺死体が発見された。彼女に想いを寄せていた「僕」こと閑寺尚は、打ちひしがれながらもその仇を討つべく、クラスメイトの甲森瑠璃子とともに調査…

「夜更けのおつまみ」(ポプラ文庫)

原稿があがった後の枝豆とビール、秘密のレシピでつくる肴、大切な人と分かち合った一皿…31名の人気作家がおつまみにまつわる思い出を語ったエッセイ・アンソロジー。巻末にはキリンビール公式noteとコラボして開催したコンテスト大賞受賞作も掲載! 総勢31名…

「紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード」ほしおさなえ(角川文庫)

百花は叔母に誘われて行った「紙こもの市」で紙の世界に魅了される。会場で紹介されたイケメンだが仏頂面の一成が、大手企業「藤崎産業」の一族でその記念館の館長と知るが、全くそりが合わない。しかし百花が作ったカードや紙小箱を一成の祖母薫子が気に入…

「巴里マカロンの謎」米澤穂信(創元推理文庫)

「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店に行ってマカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小山内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたの…

「イマジン?」有川ひろ(幻冬舎)

想像力は、あるかい? 憧れの映像制作の現場に飛び込んだ、良井良助(27歳)。聞き慣れない業界用語が飛び交う現場に戸惑う日々だが、そこは現実と物語を繋げる、魔法の世界だった。 「必死で知恵絞って想像すんのが俺たちの仕事だ」 やがて良助は、仲間たちが…

「名探偵はハウスメーカーにいる 家づくりは今日も謎だらけ」宮嶋貴以(メディアワークス文庫)

戸建てを購入するのは、一世一代の決断が必要だ。ましてや注文住宅となれば、外装や間取りなど決めることが多く、家族や親族の想いがスレ違ったり衝突したり……。 そこではまさに、壮大なドラマが繰り広げられる。 大手ハウスメーカーに入社し、特別営業本部…

「午前3時33分、魔法道具店ポラリス営業中」藤まる(PHP文芸文庫)

夜ごと枕元に現れる鍵束と、繰り返し見る悪夢に悩まされている大学生の遠野晴貴。困った末に彼が辿り着いたのは、「不思議現象を解決してくれる」と噂の骨董店。そこは、同じ大学に通う、美人だが無愛想な女子大生・月城環が営む店だった。彼女は、鍵束の正…

「ぶたぶたのシェアハウス」矢崎存美(光文社文庫)

閑静な住宅街の中にある「シェアハウス&キッチンY」は、全六室の小さな共同住宅。一階には、大きくて温かみのあるキッチンがあって、昼間は近所の人たちが集まるイベントスポットになる。そこに新しく引っ越してきた実里は、玄関で出迎えてくれたオーナー兼…

「活版印刷三日月堂 小さな折り紙」ほしおさなえ(ポプラ文庫)

小さな活版印刷所「三日月堂」。 店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉――。 三日月堂が軌道に乗り始めた一方で、金子は愛を育み、柚原は人生に悩み……。そして弓子達のその後とは? 三日月堂の「未来」が描かれる…

「活版印刷三日月堂 空色の冊子」ほしおさなえ(ポプラ文庫)

小さな活版印刷所「三日月堂」。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉――。弓子が幼いころ、初めて活版印刷に触れた思い出。祖父が三日月堂を閉めるときの話……。 本編で描かれなかった、三日月堂の「過去」が詰ま…

「石黒くんに春は来ない」武田綾乃(幻冬舎文庫)

学校の女王・京香に告白し振られた石黒くんが意識不明の重体で発見された。クラス全員に失恋をバラされたショックによる自殺未遂かと思われたが、学校は知らん顔。しかし半年後、名ばかりの偽善グループライン「石黒くんを待つ会」に、病院で眠り続けている…

「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 子ども食堂と家族のおみそ汁」友井羊(宝島社文庫)

スープ屋「しずく」のシェフ・麻野は、ある日、子ども食堂の運営の協力を頼まれる。子ども食堂で麻野たちが出会ったのは、さまざまな傷を抱えた親子たち。ふさぎこむ少女が抱える秘密とは? 引き離された父子に何があったのか? 少女の家で起こる怪奇現象の…

「終わった恋、はじめました」小川晴央(講談社タイガ)

「シュレディンガーの猫」は生と死が重なり合った状態ならば、俺の初恋はシュレディンガーの恋というべきだろう。意地を通し会社を退職した俺に、妹から一年ぶりの電話。病を抱えた高校時代の恋人を捜しに行こうというのだ。彼女の足跡を辿り妹と旅に出た俺…

「ときどき旅に出るカフェ」近藤史恵(双葉文庫)

平凡で、この先ドラマティックなことも起こらなさそうな毎日を過ごす瑛子が近所で見つけたのは日当たりが良い一軒家のカフェ。店主はかつての同僚・円だった。苺のスープなどメニューにあるのは、どれも初めて見るものばかり。旅先で見つけたものを再現し、…

「きみはポラリス」三浦しをん(新潮文庫)

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。誰かをとても大切に思…

「オタクと家電はつかいよう ミヤタ電器店の事件簿」田中静人(宝島社文庫)

「うちの社長は笑いません。ですが、お客さまの笑顔のために努力しています」という求人広告に惹かれ、「ミヤタ電器店」に転職した森野美優。人の気持ちは読めないが、家電に詳しい店長の宮田とともに「なんでも対応」をポリシーに、家電トラブルに隠された…

「倒れるときは前のめり ふたたび」有川ひろ(角川書店)

「有川浩」改め「有川ひろ」のエッセイ集“ふたたび”! ペンネーム変更にもつながった日々の出会いへの感謝、 書き継いだ「コロポックル」ほか、愛する本たちへの想い、 ネット時代の言葉について、 神戸の「ツリー」に思うこと、etc. 『県庁おもてなし課』の…

「太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヵ月~」三田千恵(新潮文庫nex)

死に至る「宝石病」を患う理奈は海の見える高校に転校してきた。不安と焦燥を抱えながらも、残された時間で「素晴らしい青春」を送らなければと頑張る彼女は、運命の恋人と無二の親友と出会う。一緒に過ごした最後の12ヶ月は、大切なことに気付いたかけがえ…

「八丈島と、猫と、大人のなつやすみ」五十嵐雄策(メディアワークス文庫)

六年間勤めた会社を離れ、八丈島で1ヶ月を過ごすことになった川瀬星子。仕事も恋もうまくこなしていると思っていたが、いつも味方になってくれた祖母の死をきっかけに、気持ちの糸が切れてしまったのだった――。 家賃はタダだけど年季の入った古民家の掃除に…

「NNNからの使者 猫は後悔しない」矢崎存美(ハルキ文庫)

離婚して、都内のアパートに一人で暮らす田宮真澄、五十歳。ある日、パート先から自転車で帰る途中、何かをひいてしまった。猫だ。動物病院を連れていくべきか、このまま行ってしまおうか――迷っているところへ別の三毛猫がやってきて、咎めるように鋭く鳴い…

「さよならの言い方なんて知らない。2」河野裕(新潮文庫nex)

架見崎。誰も知らない街。高校二年生の香屋歩と幼馴染の秋穂栞が訪れたその場所には、戦争があった。人と人が対立し、殺し合い、奪い合う。そんな世界で、二人はかつての親友トーマと再会する。架見崎で二年余りを過ごした彼女は、最大の領土を誇るチームの…

「Iの悲劇」米澤穂信(文藝春秋)

一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。 市長肝いりのIターンプロジェクト。公務員たちが向き合ったのは、一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった。 人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。…

「今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私」成田名璃子(メディアワークス文庫)

突然終わった結婚生活。バツイチか──と嘆く余裕もない私。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。 そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。そして整った顔立ちとは裏腹に、ものすごく気難しい人だった。行き場のない私と、…

「犯人AIのインテリジェンス・アンプリファー 探偵AI2」早坂吝(新潮文庫nex)

人工知能探偵・相以の驚異的な推理力に大敗を喫した以相。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅させ完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸内殺人事件。連鎖する不可解な事象を読み解く…

「さよならの言い方なんて知らない。」河野裕(新潮文庫nex)

あなたは架見崎の住民になる権利を得ました―。高校二年生の香屋歩の元に届いた奇妙な手紙。そこには初めて聞く街の名前が書かれていた。内容を訝しむ香屋だが、封筒には二年前に親友が最後に残したものと同じマークが。トーマが生きている?手がかりを求め、…

「君と漕ぐ2 ―ながとろ高校カヌー部―」武田綾乃(新潮文庫nex)

インハイ出場を決めた希衣と恵梨香の新ペア。カヌー部女子四人は休む間もなく練習を重ね、結束を深める。次の関東大会では、絶対的な強さの“孤高の女王”こと利根蘭子をはじめ、千葉からは繊細なパドル捌きで魅せる双子の大森姉妹、山梨からはパワーが武器の…

「ネタバレ厳禁症候群 ~SO SIGNS CAN'T BE MISSED!~」柾木政宗(講談社タイガ)

女子高生探偵のアイと助手のユウは、ひょんなことから遺産相続でモメる一族の館へ。携帯の電波が届かない森の中、空一面を覆う雨雲……外界から閉ざされた館で発見されたのは男の刺殺体だった。遺体に乗った巨大な鶴の銅像と被害者の異様な体勢、それらが意味…

「木曜日にはココアを」青山美智子(宝島社文庫)

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。そのカフェで出された一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー。卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。小さな出来事がつながって、最後はひとりの命を救う―…