いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



小説

「異世界居酒屋「げん」」蝉川夏哉(宝島社文庫)

東京某所で店を開いていた居酒屋「げん」は、葦村草平が切り盛りしていた。草平が閉店を考えた矢先、突然店の出入り口が異世界の王都ラ・パリシィアに繋がってしまう。不思議なお客を受け入れながら、心変わりした草平は店を続けていくことを決める。娘のひ…

「アンと愛情」坂本司(光文社文庫)

成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。 これからもそんな日常が――と思いきや…

「さよならの言い方なんて知らない。8」河野裕(新潮文庫nex)

現実世界の桜木秀次郎からのメッセージは、香屋歩に「切り札」を与えた。架見崎を破滅へと導くウロボロスへの対抗策を。……時を同じくして、平穏な国と世界平和創造部は戦争へと突入する。戦端を開いたのは、月生亘輝と白猫。「最強」と呼ばれる二人が、互い…

「レーエンデ国物語 月と太陽」多崎礼(講談社)

名家の少年・ルチアーノは屋敷を何者かに襲撃され、レーエンデ東部の村にたどり着く。そこで怪力無双の少女・テッサと出会った。 藁葺き屋根の村景や活気あふれる炭鉱、色とりどりの収穫祭に触れ、ルチアーノは身分を捨てて、ここで生きることを決める。しか…

武士道シリーズ全4巻

先日の出張のお供。 移動時間だけで11時間以上あったので、全4冊読み終わってしまった。 父が警察官だったこともあり幼少期から剣道一直線な少女・磯山香織。前世は猪か野武士か、とても女子とは思えないガサツで好戦的な真っすぐすぎる珍獣猪娘。 元々は日…

「可燃物」米澤穂信(文藝春秋)

彼らは葛を良い上司だとは思っていないが、葛の捜査能力を疑う者は、一人もいない。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ…

「湯治場のぶたぶた」矢崎存美(光文社文庫)

ふっと、休みたくなる時がある。身体をいたわって、滋味あふれる美味しい食事をとり、心を洗濯する――そんな思いを叶えてくれる小さな湯治場がここにあります。少し元気がない時は、鞄ひとつを持ってふらりと訪れてください。ビワがなる山里と豊かでいいお湯…

「六人の嘘つきな大学生」浅倉秋成(角川文庫)

IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った波多野祥吾は、他の五人の学生とともに一ヵ月で最高のチームを作り上げうという課題に挑むことに。うまくいけば六人全員に内定が出るはずが、突如「六人の中から内定者を一人選ぶ」ことに最終課題が変更される。…

「レーエンデ国物語」多崎礼(講談社)

聖イジョルニ帝国フェデル城。家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。 空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。その数々に魅了さ…

「月曜日の抹茶カフェ」青山美智子(宝島社文庫)

桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」では、定休日の月曜日に抹茶カフェ」が開かれ――。 ツイていない携帯ショップ店員、愛想のない茶問屋の若旦那、祖母が苦手な紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将……。 一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ1…

「物語の種」有川ひろ(幻冬舎)

読めば心が躍り出す。 ほっこり&胸キュン全十篇の物語! 読者から「物語の種」(エピソードでも写真でもフレーズでもO.K.)を募集して、その中から選ばれた物語の種を著者が広げて小説にした十編の短編集。 その内くっ付きそうな若者二人が出て来るほのかな…

「お探し物は図書室まで」青山美智子 (ポプラ文庫)

「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」 仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。自分が本当に「探して…

「シュレーディンガーの少女」松崎有理(創元SF文庫)

すべての65歳に例外なく、プログラムされた死が訪れる世界。肥満者たちをテレビスタジオに集め、公開デスゲームを開催する健康至上主義社会。あらゆる数学を市民に禁じ、違反者を捕らえては刑に処している王国。はたまた日々の食卓から、秋刀魚が消え失せて…

「瀬戸内海の見える一軒家 庭と神様、しっぽ付き」支倉凍砂(中公文庫)

東京でデザイナーになる夢が破れ、祖母の遺した家に引っ越してきた加乃。そこへ転がり込んできたのは、伏見から家出してきた稲荷狐だった。新天地での一人と一匹の共同生活が始まったが、土地の龍神の少女に、ここ愛媛県松山市は昔から狸が支配する地、稲荷…

「語らいサンドイッチ」谷瑞恵(角川文庫)

靱公園に面する『ピクニック・バスケット』は、笹子と蕗子の姉妹が営む小さなサンドイッチ店。いつかどこかで食べた記憶の味と想いを結びつける笹子のサンドイッチは、お客さんの心を癒してくれる。ある時、姉がフランス帰りのシェフである元彼と急接近して…

「君と漕ぐ5 ―ながとろ高校カヌー部の未来―」武田綾乃(新潮文庫nex)

日本代表選手となり注目を集める天才カヌー少女・恵梨香。だが大会で思いがけない事態に見舞われる。親友の舞奈は彼女を見守るが。一方、三年生になった希衣は自らの進路に悩んでいた。大学でも夢を追い続けるべきだろうか、それとも。そして迎えたインター…

「私たちの金曜日」(角川文庫)

ストレスから職場を転々とする会社員、小壜をロッカーに隠し持つミステリアスな同僚、上京した売れない地下アイドル、30歳の誕生日を迎えた小説家、育ち盛りの子供を抱える自衛官のパイロットなど……思い通りに仕事をすることが叶わないなかで働く様々な女性…

「紙屋ふじさき記念館 結のアルバム」ほしおさなえ(角川文庫)

感染症の世界的大流行の影響で、記念館の閉館イベントは中止。 そんな中、百花(ももか)は大学4年生となり、リモート環境下で卒論と就活に取り組むことになった。 突如姿を変えてしまった日常に、不安や理不尽さを感じながらも、百花や大学の仲間たちは現実に…

「バイオスフィア不動産」周藤蓮(ハヤカワ文庫JA)

バイオスフィアⅢ型建築、それは内部で資源とエネルギーの全てが完結した、住民に恒久的な生活と幸福を約束する、新時代の住居。その浸透によって人類の在り方が大きく様変わりした未来、バイオスフィアを管理する後香不動産の社員として働くアレイとユキオは…

「栞と嘘の季節」米澤穂信(集英社)

猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。 高校で図書委員をつとめる堀川次郎と松倉詩門。 ふたりは図書室の返却本の中に、トリカブト花の栞を見つける。校舎裏でトリカブトが栽培されているのも発見すし、そしてついには被害者が……。 「その栞は自分のものだ」と嘘を…

「さよならの言い方なんて知らない。7」河野裕(新潮文庫nex)

最強が愛したただ一人の、女性。ウラル。彼女の存在は特別だった。あるいは一般的に、彼女の外見は地味に見えるかもしれない。悲しみも、怒りも、他の感情も、彼女が外に見せることは少ない。だが、それでも。架見崎の最強、月生亘輝にとって彼女だけが、美…

「凜として弓を引く 青雲篇」碧野圭(講談社文庫)

弓道をはじめて一年。初段を取り、高校二年生になった矢口楓は、後輩の高坂賢人にのせられ、廃部になった弓道部を復活させることに。しかし、校内に弓道場もなければ、入部希望者もなかなか集まらない。意図せず部長になり不安にかられる楓に、次々と難題が…

「本を守ろうとする猫の話」夏川草介(小学館文庫)

夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、小学校に上がる頃からずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が、突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の…

「小説 すずめの戸締まり」新海誠(角川文庫)

九州の静かな港町で叔母と暮らす17歳の少女・鈴芽。ある日の登校中、美しい青年とすれ違った鈴芽は、「扉を探してるんだ」という彼を追って、山中の廃墟へと辿りつく。しかしそこにあったのは、崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ古ぼけた白い扉だ…

「ソロキャン!」秋川滝美(朝日文庫)

仕事のストレスが日々溜まっていく千晶。子供の頃から頻繁にキャンプを楽しんできたが、近年はめっきり足が遠のいていた。ストレス解消と癒しを求めて久々にキャンプを始めることにしたが……。絶品料理とひとりの時間を存分に楽しむ、本格ソロキャンプ小説。 …

「おいしい旅 想い出編」秋川滝美、大崎梢、柴田よしき、新津きよみ、福田和代、光原百合、矢崎存美(角川文庫)

15年ぶりに再会した友人と訪れた京都。昔話に花を咲かせるが、みなそれぞれに事情を抱えていて……(「あの日の味は」)。亡くした夫との思い出を胸にひとり旅をしていた故郷・神戸で偶然出会った青年。一緒にスイーツ巡りをすることになるが(「幸福のレシピ」)…

「おいしい旅 初めて編」近藤史恵、坂木司、篠田真由美、図子慧、永嶋恵美、松尾由美、松村比呂美(角川文庫)

仕事に行き詰まり、勢いで列車に乗り終点まで……旅先では驚きの出会いが待っていた(「下田にいるか」)。福引きで旅行券を引き当て、台湾へひとり旅。現地で会った駐在員はどこか訳アリのようだが(「情熱のパイナップルケーキ」)。訪れたことのない場所、見た…

「ぼくらに嘘がひとつだけ」綾崎隼(文藝春秋)

僕らは取り違えられたのかもしれない―― エリート棋士の父を持つ京介と、落ちこぼれ女流棋士の息子・千明。二人の〝天才〟少年は、またたく間に奨励会の階段を駆け上がる。期待を背負い、プロ棋士を目指す彼らに、出生時に取り違えられていたかもしれない疑惑…

「ただいま神様当番」青山美智子 (宝島社文庫)

『赤と青とエスキース』で2年連続本屋大賞にノミネートされた青山美智子氏の最新文庫。ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた! 突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんの願いを叶えないと、その文字は…

「15秒のターン」紅玉いづき(メディアワークス文庫)

「梶くんとは別れようと思う」学園祭の真っ最中、別れを告げようとしている橘ほたると、呼び出された梶くん。彼女と彼の視点が交差する恋の最後の15秒(「15秒のターン」)。 ソシャゲという名の虚無にお金も時間も全てを投じた、チョコとあめめ。1LDKアパート…