いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「問題児たちが異世界から来るそうですよ? 暴虐の三頭龍」竜ノ湖太郎(角川スニーカー文庫)

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 暴虐の三頭龍 (角川スニーカー文庫)
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍 (角川スニーカー文庫)

地獄の窯より現れた魔王アジ=ダカーハの攻撃から黒ウサギを庇い、致命傷を負った十六夜。ノーネームの仲間を逃がすため、命を賭け対峙したはずが、その圧倒的な力の差に距離を取ることすら出来ない。さらには「ならば、こういう絶望はどうだ?」と、魔王は己を抉り、その血液で分身体を生み出し、飛鳥たちがいる“煌焔の都”へ追わせたのだ! アジ=ダカーハの攻撃で阿鼻叫喚の渦に巻かれた都で、耀と飛鳥の戦いの行方は――!?


8巻は本編半分、短編集半分の変則な作り。
本編の方は敵の実態と問題児たちの戦い方が鮮明なっただけで、これといった進展なし。
早く続きを!という想いを募らせるのには成功しているが、中途半端な印象は否めない。
短編の方は戦いから離れてまったりムード。本編の戦況はどんどん激化していく一方なので、穏やかな問題児たちや彼らの生き様を掘り下げる話が読めるのは素直にうれしい。
こちらの主役は表紙も飾ったリリ。
割烹着の似合うケモ耳幼女……最高じゃないか。話の方も彼女の大人しい中に芯の強さが見える話で大変微笑ましい。ああ、なでなでしたい。久しぶりにリリを愛でられたので、その点は満足。
しかし、短編の数も少ないしやっぱり中途半端だなあ。変に本編挟まないで丸々短編集にした方が良かったのに。