いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「戦うパン屋と機械じかけの看板娘6」SOW(HJ文庫)

戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉6 (HJ文庫)
戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉6 (HJ文庫)

エウロペアの聖女を讃える聖誕祭を年末に控えたオーガンベルツ。お祭りの夜に町にやってくるという、良い子にプレゼントを配る「聖女」と悪い子を連れ去ってしまう「悪魔」。この2役の仮装をすることになったスヴェンとルート。新しいお菓子作りと仮装に奔走する2人の「聖誕祭」の話。その他「魔導師」ダイアン・フォーチュナーの秘密に迫る話、「お嬢様予備校」と呼ばれる士官学校編入されたヒルダの話、の3編を中心にゲーニッツの反乱後のキャラクター達を描いた人気シリーズ6作目!

ゲーニッツの反乱という大きな事件を終えて一息入った感じの6巻。
ヒルダが編入した士官学校で活躍すると中編と、聖誕祭のトッカーブロートの様子を描く中編の二編+αの繋ぎの巻という位置付けながら、ルートに恨みを持つ新たな敵が現われたり、このシリーズの謎の中心だったダイアンの出生の秘密が明かされたり、今後の展開に繋がるであろう事実がいくつも出てくる重要な巻でもある。
前半の読みどころはヒルダの変化。
クソガキ小物将校の頃はその内居なくなる(=死亡退場)キャラだと思ってたのに。今はその成長を見守るのが楽しい。マイナスからのスタートだから伸び代いっぱいあるし。しかもこの相棒を得たという事はルートとスヴェンとの対照先になるわけだ。大出世だ。おまけに今度から百合担当かーw
後半はスヴェン。
主さま主さまと猪突猛進だった以前の様子からは想像できない、落ち着いて自然にルートの隣にいる様子にニヤニヤ。自分の心境の変化に戸惑うバウムクーヘン焼きのシーンに心の成長が感じられてさらにニヤニヤ。やっぱりスヴェンは可愛いなあ!
また、読み終わってから理解出来る表紙と口絵が良かった。
表紙の子供はヒルダじゃなかったんだね。口絵の一番後ろがあの人か。文章からもっとロボロボしいと思っていたら予想外に美形だ。
次から恐らく新章本格スタート。この巻を読む限り次の敵は、武力ではなく政治や扇動や法律など言葉の力を使った嫌らしい搦め手で攻めてくる?