いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



月の盾 (電撃文庫) & クジラのソラ 01 (富士見ファンタジア文庫)

月の盾岩田洋季電撃文庫
オンライン書店ビーケーワン:月の盾アマゾンにもbk1にも画像が無い。何故だ?

妹の小夜子が事故でこの世を去った八月十五日は、アブラゼミがうるさく、怖いくらいに日没が赤い、まるで世界が焼かれていくような夕方だった。
そして、五年後の小夜子の命日。同じように赤い空を、雲がせわしなく流れていく。周囲をアブラゼミの鳴き声に包まれる。暗くざわざわと不穏な音を奏でる森の中、上りかけた月光が優しく降り注ぐその下に、小柄で美しい少女は座っていた。
「──あなたは………だれなの?」
少女の声質は小夜子と似ていた──。
日没になると必ず眠る少女国崎桜花は、決して小夜子の代わりではなくて──。

天才画家国崎桜花の栄光と挫折の物語。


これはいい!美しい!!
華奢な硝子細工のように触れたら壊れてしまいそうな桜花の心の純粋さと危うさの表現が素晴らしい。桜花の言動にハラハラドキドキさせられ、暁と一緒に桜花を見守っている心境になる。
また桜花の心を包み込むような暁の優しさもいい。ただ暁は個展の新しい絵を描いてる時の桜花の状態に気付かないとか養子の話のときの最後の反応とか、時折見せるあまりに不自然な盲目さ鈍感さが引っかかる。そこさえ上手いことやってくれていれば自分の中で傑作って言えたのに。
それでも二人のちょっと不器用で優しい心の交流が綺麗で一つの宝石のような物語だった。



クジラのソラ 01瀬尾つかさ富士見ファンタジア文庫
オンライン書店ビーケーワン:クジラのソラ 01

10年前。地球は異星人の圧倒的な艦隊の前に全面降伏した。彼らが人類に課したのはたったひとつのシステム。《ゲーム》。各国政府の後押しをうけ、人々は《ゲーム》に熱狂した――。
《ゲーム》のWG優勝者であり、宇宙へ旅立った兄の後を追う少女・桟敷原 雫。しかし、チームメイトと仲間割れし参加資格を失ってしまった雫は、伝説のメカニックと言われる聖一を自分のチーム〈ジュライ〉に引き入れようと奮闘する。
「仲間になってもいい。ただし、彼女に勝ったなら」。聖一が出した条件。それは従妹の冬湖に《ゲーム》で勝つこと。雫は勇んで《ゲーム》に臨むが!?
「リリック――くじらたちの歌を聞くの」宙にくじらの旋律が響く時、《ゲーム》は真実の姿を雫の前に現す――。


ゴメンナサイm(_ _)m
私のヘッポコな想像力では《ゲーム》のシーンが脳内で展開できません。
結局誰がメインな話なのかもよく分からなかった。雫?聖一?冬湖も重点を置かれて書かれているし・・・う〜ん?
それにスポ根もの風なのに最後は超能力じみた力で決着が着くのもどうかと思う。
スポ根とか感情を真っ直ぐにぶつけ合うものとか嫌いじゃないんだけど、いろんな意味でピンと来ない話だった。