いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



銀月のソルトレージュ―ひとつめの虚言 (富士見ファンタジア文庫)

銀月のソルトレージュ枯野瑛富士見ファンタジア文庫
オンライン書店ビーケーワン:銀月のソルトレージュ

騎士と姫君のロマンスは遠くに去り、銃と蒸気機関が大陸を支配する時代。
学術院都市国家フェルツヴェンで学ぶリュカは、街で出会った銀髪の美少女に理由も分からないまま殺されてしまう。だが次の日、なぜか彼は生きていた……。リュカの周りで何が起こっているのか?
謎の男が見せる“魔法”の力。歴史の裏で続けられてきた“不死の魔法使い(レヴナント)”たちの戦い。そして明らかになる神話に隠された哀しい真実――。最強の魔法書『ひとつめの嘘(ソルトレージュ)』を手にするのは誰か!?

過去に剣と魔法の時代のあった世界を舞台に、学術院に通うリュカの過去とこの国の歴史が絡み合い進んでいくファンタジー


あらすじを見る限りあんまり期待してなかったんだけど(失礼)、見事に期待を裏切られた。面白い。さすが枯野瑛
美男美女が多くて剣や魔法まで使うのに派手さがなく静かな感じなのがこの作者らしく「綺麗」という言葉がしっくりくる。
物語もファンタジーとしてはオーソドックスで奇抜なところはないけど、その分洗練されていてるしキャラクターもしっかり作りこまれている。学術院ではリュカの優しさとアリスの可愛らしさ、そしてこの二人の微妙の関係も魅力だし、魔法使い側では爺さんのボケ(特にリュカとジネットに無視されるところとか)やレオネルの徹底した悪役ぶりがよかった。でもなんといってもジネットがいい。内に秘めた強さと優しさとかなり不器用な生き様がカッコイイ(*注 女の子ですよ)し、なによりあの素っ気ない態度最高!
ただ、新シリーズって言ってるわりにはエピローグはあれでいいのだろうか。一つの話としては綺麗にまとまっているけど、続き物としては1回目からもの凄くハードルを高くしてしまった感じがして次が心配。今回の出演者は誰も出てこない話になったりはしませんよね?枯野先生