いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



猫耳父さん (電撃文庫)

猫耳父さん」松原真琴電撃文庫
猫耳父さん (電撃文庫)

日村ななこ14歳。漫画家の父と2人暮らし。愛猫のネーが亡くなった翌日、猫耳と尻尾が生えてきました……、わたしじゃなくてお父さんに!?
「ぎにゃあああああああっ!!!」
父・賢一郎(38歳)の、そんなあり得ない悲鳴から始まった日村親子の受難の日々。2人は周囲の力を借り、父の猫耳を消すために奮闘することになる。
そんな中、娘のななこが学校へ行ったきり行方不明になってしまう。果たして猫耳父さんはななこを見つけだし、耳と尻尾を消すことが出来るのか!? 
松原真琴&大岩賢次で贈る、猫耳生えちゃった父と娘の笑って泣けるハイテンションコメディ!

割と重め設定だと思ったら、週間アスキー連載だったのか。


泣ける家族もの
何でこんなに涙腺を刺激するのが上手いんだ。
共感しやすいシーンが多い上に父もななこも涙もろいものだから、どうしてももらい泣きしてしまう。
そんな泣きシーンの後は絶妙なタイミングでダメ親父が出てくるのが心憎い。笑いの種類は苦笑だけど、これが場を和ませたり沈んだ心を持ち直すのにピッタリの笑いなんだよなあ。
ただ“事件”だけが少し浮いているのが気になる。発生は唐突で展開が急なため呆然としてしまって感動はなかった。
それでも笑って泣けるハイテンションコメディの名に偽りのない内容だった。笑いの方は父に対する苦笑が主だけどw


巻末の短編も家族もの
こっちは微妙。主人公の女の子に何の頑張りもないのがちょっと。
この短編を載せるなら事件前後の加筆が欲しかった。