いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「15×24 link three 「――裏切り者!」」新城カズマ(スーパーダッシュ文庫)

15×24 link three 裏切者! (集英社スーパーダッシュ文庫)
15×24 link three 裏切者! (集英社スーパーダッシュ文庫)

「そしてXは最後に、こんなことを電話越しにNに語ったらしい。
──人間というやつは、どこをどうしても金になります。生かしても、殺しても。つなげても、切り刻んでも。働かせても、きれいに飾っても。
金になるのは、支払うやつと受け取るやつがいるからです。その両端があれば金は動きます。どれだけ禁じても、金はどうにかして動く道を見つけだす……それが金というもんです。そして金が動けば人は必ずつき従う……人というのはそういうもんです。
子供をさらう悪党は、いつの時代、どこの国にもおりました。じゃあどうして、今のこの国にだけおらんと言えますかね?──」
(パート7「――裏切者!!」112ページより)


そういえば1巻のあとがきに書いてあった。これは“死”について語る物語なんだよね・・・。
事件は軌道修正せずかつ停滞気味で語りの多い回。半分くらいは“少年少女の主張 テーマは「命」”みたいな内容。
こうなるとキャラクターに馴染めていない身としてはきつい。というか、それ以上に違和感が強まった。
死は大きなテーマなのに、その最たる題材であるオープニングの事件へのまともな反応がアキホしか出てこない(他は反応が薄いか登場しない)のが納得できない。事件が混沌の最中とは言え、関係がそれほど深くない徳永の自殺を必死で止めようとしているような熱い少年少女の反応がそんなに淡白なわけがないと思うのだが。
そんなわけで3巻は正直面白くなかった。
最後の最後にまた変な大人が介入してきたけど、次はどちらに向かうのやら。ゴールは未だ欠片も見えず。