いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「15×24 link four Riders of the Mark City」新城カズマ(スーパーダッシュ文庫)

15×24 link four Riders of the Mark City (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-4)
15×24 link four Riders of the Mark City (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-4)

ですが先生、私はそこでひらめいたのです。
これはかえって好都合かもしれません。
彼女を海に落としてしまえばいいのです。これならば返り血を浴びることもありませんし、 吐瀉物や排泄物の後始末をする必要もありません。これです。これが最良の方策です。私は確 信しました。海です、海こそが正解です。海はすべてを受け容れ、すべてを裁くのです。ああ、 これはどなたの言葉だったでしょうか。憶い出せません。ですが、それはまさにこの世の真理 を指摘しているだと私は思います。すべての生命は海から来たのです。そこへ還してあげるこ とに、何の不都合がありましょうか。
(パート8「iders of the Mark City」123ページより)


加速する事件と明かされる数名の過去。
やけにマリエの影ばかりチラつく事件の方も気になるが、今回のメインは過去話の方かな。
トワコの過去は想像以上だった。初めからきな臭さは出てたけど、ここまでとは。ササウラやホノカの方は特に衝撃はなかったが、あの狂ったオバサンがササウラの過去を呼び起こさせるためだけの扱いだったことにはびっくり。
それにしてもササウラにしろトワコにしろ自己防衛本能による記憶の混乱、喪失なんてそんな簡単に起こることなのかな? そんなところに突っ込んでもしょうがないからまあいいけど。
とりあえず、この数名の過去話によって一人称が信用できないことと、誰にでも動機はあることが示されてしまったわけだ。
(故)枯野透パートからすると〈17〉を断定する材料は揃っているみたいだけど、一人称の真偽から洗いなおさなきゃならないのか・・・うん、やめよう。傍観者になろうw


あとがきの問題はなんで「真犯人」なんだろう?
事件が複雑に絡まっているから〈17〉の正体よりも何を持って“真”犯人とするかの方が難問のような・・・。
まあそれはいいとして、問題2,3を読んでオリエント急行的犯人とファブリさんの一人勝ちエンドとかカオスで面白そうだなとか考えてしまった。バットエンド万歳!w