いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「スクランブル・ウィザード7」すえばしけん(HJ文庫)

スクランブル・ウィザード7 (HJ文庫)
スクランブル・ウィザード7 (HJ文庫)

権力強化を目論む伊蔵の策略により身動きが取れなくなった月子と十郎。しかし、直接的あるいは間接的に月子から影響を受けた人間たちが、彼らを助けるために行動を起こす。孤独な戦いではなかったことに勇気づけられた二人。月子は伊蔵と、十郎は能勢との対決にそれぞれ挑む――。“魔法士”をめぐる一大群像劇は、ついに感動のクライマックスへ!


大団円な最終巻。
結局のところ、このシリーズに対する興味の薄れを実感しただけだった。個人的にはもったいないし、なんだか申し訳ない気分。
月子を筆頭に子供は良かった。事件の収拾で忙しない中、活躍の場は少なかったが汚い大人達に子供らしい武器で抗う月子に駿介。月子を支える友人達。彼らの頑張りには胸を打たれた。
ただ、やっぱり大人達の行動、行動理念にはどこか違和感を感じる。
中でもマクスウェルは予想通り、いや予想以上にしょぼいラスボスだった。
遠回りなのに杜撰な計画があっさり崩されるがっかり感もさることながら、強くもないのに相手を一人で迎える自信過剰さに、最期で振りまく小物臭と全くの見せ場なし。このシリーズの後半は違和感を感じてイマイチ乗りきれなかったけど、やっぱりこの人が一番の原因だな。切れ者キャラは緻密さが、ラスボスにはそれなりの度量が欲しかった。
何はともあれ月子が笑顔で終われたことは本当に良かった。そういえば年の差に対するツッコミは誰からも出ないのねw