いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王さんちの勇者さま4」はむばね(徳間デュアル文庫)

魔王さんちの勇者さま 4 (徳間デュアル文庫)
魔王さんちの勇者さま 4 (徳間デュアル文庫 は 2-4)

勇者澄人と魔王の姫サフラは、誰も傷つけずに大事なものを守ると決意する。そして二人はエピック国へ。人間の国であるエピック国は、魔族のサフラを歓迎しない。それでも平穏に過ごしていたある日のこと、突然、国中の人が一斉に倒れた! 再び澄人の前に立ちはだかるブイビィ。捕らわれたサフラ。今にも折れそうな剣を手に戦う澄人。世界が平和のために姫様が犠牲になるなんて、そんなの絶対に許さない!俺は勇者失格かな……。
大人気RPGシリーズ完結!


こんなに律儀に伏線拾わなくてもいいのに・・・。
インフレした能力に振り回され、広げすぎた風呂敷を畳むのにいっぱいいっぱいになってしまった最終巻。
それでも澄人だけは最後まで自分を貫いてくれたのが良かった。彼らしい肩の力の抜けた受け答えや、世界を選ぶか大事な人を選ぶかという王道シチュエーションでも深刻にならないところなど、おかげで話の内容は深刻になってしまってもいい意味でゆるい雰囲気は最後まで壊れなかった。
でも、やっぱり最後は世界の話ではなく、そこに居る人たちの話を読みたかったなぁ。こんな真剣な会話ばかりじゃなくて、幼馴染み達とのお馬鹿な会話、魔王との平和な会話、そして姫様との仲睦まじい会話があってほしかった。
ハッピーエンドで、かつまさにタイトルどおりになったエピローグは良かったが、その前がその前なので物足りなさの残る終わりになってしまった。お気に入りのシリーズだっただけに残念。