いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おまえなんぞに娘はやれん」丸山英人(電撃文庫)

おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫)
おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫)

高校生活3日目にして、僕、国分隼人は早くも失望していた。心から楽しめない毎日に、心から笑えない毎日に。
しかし、天使は現れた。
霧島萌先輩。綿菓子のようなフワフワの髪、マシュマロを思わせる白い肌、サクランボみたいな唇……完璧だ。
彼女に出会った瞬間、自分がこの世界に生まれてきた意味を知った。
そう、彼女は、彼女こそは……前世での僕の「娘」じゃないかっ──!?
ちょっと変わった少年少女たちを描いたハートウォーミング・コメディ!

前世の記憶を持つ高校生が、前世での娘を守るべく奮闘(暴走)するハイテンションラブコメ



これは予想外に面白かった。
と言うのも、前半は全く面白くなかったから。恋心を父性に変えた意味が見えず、ただのテンプレラブコメでしかなかったので読んでいて退屈だった。強いて上げるなら、たらちね(幼馴染みの名前)が色々と不憫だなぁと思ったくらいか。
それが、後半主人公に動きが出てくると一気に面白くなる。
噛み合わない会話に笑えたり悲しくなったり、普通のラブコメでは絶対出てこない台詞が可笑しかったり感動したり。キャラの属性も起きる出来事も極々平凡なラブコメのはずが、ラブの種類が違うとこんなにも違って見えるのか。それに周りがストレートだったからこそ、この強烈変化球の主人公が生きたのかと妙に納得してしまった。
ちなみにたらちねさんは後半も可哀想でした(´;ω;`)ブワッ
面白い関係になったところで終わっているので続きに期待。ほぼ空気だった美人の先輩の参戦とかもあるのかな?
でも、そんなことよりたらちねに幸せを!