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「魔法科高校の劣等生 (3) 九校戦編 〈上〉」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)
魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編〈上〉 (電撃文庫)

『九校戦』。そこでは毎年、全国から魔法科高校生たちが集い、熾烈な魔法勝負を繰り広げていた。
七月中旬。第一高校でも、将来の魔法師候補たちによる選手団が組織されていた。遠征メンバーには、『新人戦』に参加する司波深雪と、その兄・達也の姿もあった。競技に向け心を新たに意気込む深雪だが、一方で達也の表情は晴れず……。
『九校戦』で勝敗を掴むためには、選手の運動能力の他に、もう一つ重要なファクターがある。それは、選手たちが持つCAD(術式補助演算機)の調整(チューニング)。
──魔法の苦手な司波達也が、魔法の代わりに得意とする分野。
達也によって調整されたCADを手に、第一高校生徒による華麗なる圧勝劇、その幕が開く。


オレツエー小説からオレラツエー小説へ。
全国から魔法科高校生たちが集い、六つの競技で争われる『九校戦』。
あらすじに圧勝劇なんて言葉があるのでどんな戦いが繰り広げられるのかと思ったら、敵は他校生じゃないのか。なにせ一部の例外を除いて他校生は、名前も出ずにただ倒されていくだけのモブだもの。
そのため、競技は圧勝か結果だけなので競技自体に面白味はあまりないのが残念。そこが主題でないことも、そんなことしたら500頁超にするか上中下巻にするしかないことも分かってはいるのだけど、折角の対校戦、『九校戦』の競技がもう少し盛り上がる形にしてくれても良かったような。
九校戦で盛り上がったところいうと、クラウド・ボールのハーフタイムでの会長・真由美と達也のやり取り。味方同士で腹の探り合いするなよw 小悪魔と称される会長が一人相撲している様が面白いやら可愛いやらでニヤニヤ。
この巻全体としては、上巻ということで下巻やその後への伏線たっぷりな話。その中で驚き&興味深かったのは、さらっと明かされた達也の二つの秘密。どこまで万能なんだ、この主人公(^^; どちらも今すぐに物語に関わってくるような伏線ではなさそうだが、スケールの大きさが伺える先の話が楽しみになるものだった。
次は『九校戦』を狙うテロリストとの対決がメインか。また達也無双な予告だけど、先輩たちの活躍にも期待したい。影の薄かった新キャラ幹比古にも今度こそまともな出番が?