いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件」野村美月(ファミ通文庫)

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 (ファミ通文庫)
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 (ファミ通文庫)

『グリンダ・ドイルを廃業する』そんな言葉を残して、"万能の天才"グリンダは、同盟国への派遣を目前に失踪した。このままでは国際問題に――というわけで身代わりとして白羽の矢が立ったのが、グリンダの双子の弟、つまりこの僕、シャールだった。いや無理! 僕男だし! 天才の姉と違ってニート予備軍の浪人生なのに! 抵抗も虚しく女装させられ、同盟国の王様一家の家庭教師をやることに……!? ファンタジー家庭教師コメディ待望の文庫化!


基本的には主人公が子供たちのために頑張るハートウォーミングな物語でいい話だとは思うのだけど、妙なハイテンションが肌に合わなかった。
王道ファンタジー設定の王宮内でこのテンション、この振る舞いはないわ。主人公のテンションと流されやすさに全くついていけず、序盤を読み進めるのが本当にきつかった。
それでもそのテンションに慣れてくる後半は楽しめた。
特に第一王女聖羅とのエピソードが好き。聖羅と同じ境遇の姉を持つ主人公だからこそ気付けた彼女の悩みとその解決法に心温まる。それに聖羅が心を開いたシーンの可愛さが素晴らしい。幼女だけどね!w
まあ、慣れた後も王宮内の変な人たちや城下町の人々の会話など、全体的な軽さが王道ファンタジーな世界観と合わない気がしてしょうがないんだけど。(慣れてないじゃん
短編集などが面白くなくなるからFBonlineはなるべく読まないようにしてるのが仇になったような、でも読まなかったからこそこの後半に出会えたような複雑な気分。