いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「悩み相談、ときどき、謎解き?2 〜占い師 ミス・アンジェリカの消えた街角〜」成田名璃子(メディアワークス文庫)

悩み相談、ときどき、謎解き? (2) ~占い師 ミス・アンジェリカの消えた街角~ (メディアワークス文庫)
悩み相談、ときどき、謎解き? (2) ~占い師 ミス・アンジェリカの消えた街角~ (メディアワークス文庫)

昼間はOLにして鍵穴からの観察者、ミス・ブースカ。夜は街角の婚活占い師として人気のミス・アンジェリカ。様々な悩みを抱える人々が集うこの街角で、彼女は人を占うことの責任を感じ、ひそかに姿を消した──。
無意識に降りてきてしまう未来の言葉が、本当にその人にとって必要なものなのか、一番正しい解決の方法なのか。女達の悩みのエネルギーを換金するために始めたインチキ占いのはずが、いつしか自分を苦しめる重圧としてのし掛かる。だが、誠二をはじめ、悩みを通して人の優しさに触れていくにつれ、少しずつ信じていくことができて……。


昼間は社内で恐れられるOL、夜は大人気占い師という役柄以上に、中身がアンバランスな主人公ミス・アンジェリカこときなこさんの物語、第二弾。
相変わらずブレまくりの思考でw しかも勝手に降りてくる真実の言葉に悩まされ、前回の大失敗で精神的に沈んだ状態というどん底からのスタートだったので、初めのうちは目も当てられないネガティブ思考。
そこから色々なきっかけで段々と調子を取り戻し、自分の能力と折り合いをつけることで人間的にも成長していく主人公を見守るのが今回の主題かな。
そんなちょっとずつ前向きになっていく主人公はいいんだが……
がーっ! 依頼者たちの自分勝手ぶりときたらもう!
俺ならキレる。間違いなくキレる。押しに弱い主人公が結局流されてるのがさらに腹が立つ。
ところがこれが、各話読み終わるころにはそれがスッキリと消えているから不思議。これがミス・アンジェリカの魅力……なのか? 調子を取り戻した後はミス・アンジェリカの冷たく刺さる一言もプラスされるのでなお良し。但し郷田、お前はダメだ。こいつだけは煮え湯を飲まされるところが見たかった。
軸がブレた主人公や自分勝手な人々は好きじゃないはずなんだけど、何故だか面白いこのシリーズ。本人の恋が始まりそうな気配なのでまだまだ続くのかな?