いつも月夜に本と酒

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「現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと」師走トオル(電撃文庫)

現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと (電撃文庫)
現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと (電撃文庫)

東京は羽田にある穴守稲荷神社。ある日そこの跡取り息子である菅原勇雄の元に、見知らぬ少女がやってくる。一見普通のゲーム好きな少女は、実は八百万の神の一柱・ドリームキャストの神様だった! 夢実と名乗るその女神は、勇雄の家に居候をして現代日本のゲーム事情についt調べるという。それからというもの、勇雄の元には様々なセガ歴代ハードの女神様が訪れることになるのであった。
「ニコニコ連載小説」「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された短編に書き下ろしを加えた、セガ公認のハードなガールズ・ストーリー!


セガのハード、ドリームキャストセガサターンの女神が神社を営む菅原さん家に居座ってゲーム三昧する話で、セガの家庭用ゲーム機の歴史を紐解きつつ、女の子とわいわいするコメディ。……え?祟り神祓いもしてた? あれはおまけでしょ。
セガ公認と言うからには、当時の技術の粋を集めた時代の一歩先を行っていた歴代ハードの素晴らしさを語ってくれるのかと思いきや、、、盛大にdisられてるじゃないですか!! 公認なのにいいのかこれで? まあ、家庭用ゲーム機に限ってしまうと負け戦の歴史になってしまうのは事実だから仕方がないし、読んでるこちらとしては面白いからいいけどさ。
その象徴的存在となる負け犬女神さまたちは大変めんどくさい(←おいこら 
他人にネガティブなことを言われると、落ち込んだり怒ったり祟り神になったりするのに、本人たちが日常会話でナチュラルにdisりあって凹むという残念さ。事実を言うと相手を貶めてしまう悲しい境遇に……笑いを禁じ得ない。
他のキャラでは、主人公の勇雄はセガ知識なしの聞き役兼ツッコミであまり印象に残るキャラではないが、妹の遊伊は強烈。小学生にして脅威のセガ知識。他の知識はしっかり小学生並みというギャップがいい。これは将来有望だ。某作品の麗人に会せたら相当可愛がられそう。
7〜8割がセガの自虐ネタだった気がするが面白かった。セガってやっぱスゲーや!(白目)
2巻も決まっているようで。まだ出て来ていないメガドライブの神も気になるが、妹・遊伊をここまでに育て上げた菅原家の姉の登場に期待したい。



作者どれだけFF7を恨んでるんだよwと思っていたら、あとがきに驚愕の過去が! どんなセガの裏話よりここが一番の衝撃だった。