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「ソードアート・オンライン プログレッシブ2」川原礫(電撃文庫)

ソードアート・オンライン プログレッシブ (2) (電撃文庫)
ソードアート・オンライン プログレッシブ (2) (電撃文庫)

アインクラッド第二層のボスモンスターを、激闘の果てに倒した《ビーター》のキリトと、その暫定的パートナーである細剣使いアスナは、次なるフロアへの階段を上る。
第三層。
そこで二人を待ち構えていたのは、フロア全体を深く包み込む大森林と、初めての大型キャンペーン・クエストだった。
森の中で戦う二種族のエルフの騎士たち。そのどちらかに加勢することで、クエストは開始される。≪ベータテスト≫時は必ず相討ちになっていた二人のNPCだが、キリトたちは黒エルフの女性騎士≪キズメル≫を生き残らせることになぜか成功してしまう。ベータ時との違いに戸惑いながらも、NPCであるキズメルと交流を深める二人。
一方、他プレイヤーたちによって、ついに第三層初の≪攻略会議≫も開催される。
そしてその会議の場で、キリトとアスナは、ひとつの重大な選択を迫られる……。


ついにキリト先生の魔の手がNPCにまで伸びる衝撃のプログレッシブ2(違っ!
1巻に負けず劣らずの厚さ。二層ずつ進むのから仕方ないn……あれ? この厚さで丸々一話、第三層のみかい! 脱線王川原先生ならその内二冊で一層とか普通にしそうで怖い(^^;


さて、肝心の本題は
森エルフとダークエルフと紛争に巻き込まれるキャンペーンクエスト。しかし、ベータ版との展開の違いと、キズメルという女騎士のNPCらしくない振る舞いに戸惑うキリト。といったストーリー。
早くもベータ時代との違いは出て来ているものの、まだまだその知識は十分生かせるので余裕のあるキリト。そのおかげかキリトの考察時間が長いのが特徴。ベータ版と違うクエストの裏事情、キズメルのIAの有無、ついにはアインクラッドの世界観にまで考えが及ぶ。本編では端折られたところを色々と語ってくれるのでなかなか興味深い。
そしてその中にはもちろんパートナーのアスナも。
キリトって当時中学生だよね。その割にはアスナの顔の話題は出てこないし、キズメルとお風呂イベントも内心はともかく表面上は問題なくこなすし。幼いのか枯れてるかw
一方の、アスナはすでに結構丸い。しかし、NPCとこんな交流をしているなら、例の56層の作戦は発案出来ないと思うんだが。この後余程よくない別れ方をするのか、それともキリトとの仲を含めて本編のアインクラッド編とは切り離して考えた方が良いのかな。
NPCキズメルとの不思議な交流あり、アスナとの軽いイチャイチャあり、ラフコフのメンバーであろう相手との初デュエルという脱線ありと、色々テンコ盛りで面白かった。
ただ、最後がこれだけのページ数があるとは思えないほど駆け足なのがちょっと。
第三層のボス攻略がおまけなのはいいとしても、クエスト(第三層までの分)の顛末まで事後報告のってのはどうよ。実質的に、ギルド間のいざこざに巻き込まれてそれを何とかなだめるのがラストシーンになってしまったので、もやもやした気分で終わった。
このクエストの終わりが第九層だから感動もスッキリした終わりもそこまでお預けってこと? それ何年後やねん。