いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「東京スピリット・イエーガー 異世界の幻獣、覚醒の狩人」大泉貴(このライトノベルがすごい!文庫)

東京スピリット・イエーガー 異世界の幻獣、覚醒の狩人 (このライトノベルがすごい! 文庫)
東京スピリット・イエーガー 異世界の幻獣、覚醒の狩人 (このライトノベルがすごい! 文庫)

――数十年前からこの世界には、異世界からのモンスターがやってきている。
東京に暮らす高校生・久住大吾は、ゲームアプリ『ソーシャル・スピリット・イエーガー』に現れた謎のメッセージに従って三鷹駅に行く。そこで彼が見たのは暴れるゴブリンと、それを倒すクラスメイト・高屋敷瑠奈の姿だった。異世界から現れるモンスターを、妖精の魔法と武器で討伐せよ! 現代バトルファンジー開幕!


普通。
媒体がソーシャルゲームという辺りに“今”を感じるが、ゲームが現実とリンクする話は定番中の定番ということもあり、これといった目新しさは感じない。また、ストーリーにもキャラクターにもソツがなく、話が頭にスッと入ってくるような読みやすさ。反面、強い印象も受けないわけだが。
あえて特徴を上げるなら、小学生の少年を心に秘めたヒロインと小ネタの多さ。
章のタイトルや使う武器種など本編やあとがきで言及している以外にも、オタク系の小ネタが色々と入っているのでそれを探すのも一つの楽しみ方かも。
作者としては「怪獣映画」をやりたかったみたいだが、半分成功といったところ。
最後の敵のスケール感はかなりのもの。実在の建物を破壊していくという巨大怪獣のお約束もしっかり完備。でも、主人公が規格外の強さという情報が先に入ってきてしまっているので、満身創痍の勝利もギリギリという感じは受けなった。巨大怪獣を相手にしたら一度は絶望感が欲しいところ。
そんなわけで悪いところはないけど惹かれるところもない作品だった。