いつも月夜に本と酒

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「グラウスタンディア皇国物語4」内堀優一(HJ文庫)

グラウスタンディア皇国物語4 (HJ文庫)
グラウスタンディア皇国物語4 (HJ文庫)

大国リジアによる30万の猛攻を辛くも退けた皇国。それで一息つく間もなく、軍師クロムはたった千の兵で難攻不落と名高いゾラ港攻略に挑むことに。その前準備として、クロムたちは西の大国ラトルグへと赴き、前代未聞の大博打に打って出る!!
一方、北方騎馬民族との内乱平定に動くコウソンもまた、自らの命を賭して単身、敵陣へと乗り込むが――。
西の大国ラトルグも激動の英雄戦記シリーズ第4弾!!


おお、亡き爺さんのコレクションはちゃんとクロムの手に渡ったのか。よかったー……ってスタートこれかよ!w
まさかのエロ本贈呈からスタートした今回は、リジア(東側)の要の港・ゾラ港攻略の切り札を調達するため、まずは西の大国ラトルグへ。また、そのラトルグでは、姫君の忠臣コウソンが内乱平定の為に奔走していた。といったお話。
クロム側は割とコミカル、コウソン側は思いっきりシリアスと雰囲気の違いもあったが、クロムとコウソンの対照的な策の進め方が最も印象的。
立場は同じ姫君の忠臣でも、手口は詐欺師そのもので必要とあれば姫さえも使うクロムと、誠実・実直のまま相手を説得していくコウソン。まったく、どっちが主人公なんだかw
一方で二人の姫はどことなく似ている。行動力のあるユースティナと、大人しいレイリンで性格は違うが、皇族としての覚悟と我慢強さ、小さな幸せ噛みしめる健気さ……というか幸薄さ。
まだグラウスタンディアと交わることはないが、ラトルグの情勢の話が巻を追う毎に厚くなっているので、否が応でも邂逅の時が近いことを感じさせる。敵としてなのか味方としてなのか。どちらの姫も泣かなくてすむ未来であればいいが、無理なんだろうなあ。予告ですでに泣いてるもんなあ。