母から借りて初村上春樹。
失恋というか女性の不貞に対する男の考え方について綴った短編集。
気持ちいいんだか気持ち悪いんだかよく分からない読書時間だった。
一話目の主人公の女性の運転に感じていることや 二話目の若者たちの不安や恥ずかしさなど、日々漠然と感じている物事を例えている時には「あるある」「わかるわかる」となるのに、話が主人公たちの個人の話に及ぶと、彼らの感性には不快感を覚えたり理解に苦しんだりする。
特殊な状況の話もあったけれど、どの話も大体同じ印象を受けた。浅いところでは共感できるのに、深いところでは共感できない不思議な作品群。
世界に名だたる巨匠に対して短編集一つ読んでどうこう言うのはナンセンスだけれども、「文章が上手いから初めは引き込まれるけれど、根本的なところで感性が合わないんだろうな」というのが初村上春樹の感想。