いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「狼と香辛料 XX Spring Log III」支倉凍砂(電撃文庫)

狼と香辛料XX Spring LogIII (電撃文庫)
狼と香辛料XX Spring LogIII (電撃文庫)

湯治客で賑わう短い夏も終わり、湯屋狼と香辛料亭』は秋を迎えていた。
山々に囲まれたニョッヒラの秋の味覚を堪能しようと、いつも以上に張り切るホロとあきれ顔のロレンス。
山での散策を終え、籠いっぱいの土産とともに二人が湯屋に戻ると、入り口にはたくさんの人だかりが。
「なんじゃ、よくわからぬが、色々な獣の匂いがしんす」
湯屋狼と香辛料亭』にやってきた、時季外れの客たちの目的とは――。
書き下ろし短編『狼と収穫の秋』に加え、電撃文庫MAGAZINE掲載短編4本を収録した、湯屋での物語第3弾。

ロレンスとホロの旅路のその後を描いた短編集Spring Logも早いものでもう三冊目。
今回の内容を一言で言うなら「ホロ姫再臨!」
ミューリが居なくなって母親面する必要がなくなったホロが、ロレンスに甘える様子を描いたのがこの三巻。甘え方は容姿に合った直接的な物だったり、賢狼らしく回りくどかったり色々だが、とりあえず甘い。ひたすら甘い。こんちくしょー!
次回からは旅に!? 羊皮紙へのクロスオーバーがあるのか、興味津々。



以下各話毎



狼と春の落とし物
内容:冬毛から夏毛に生え変わる頃のホロ
数百年生きている神狼にも生え変わりがあるんだ。へぇー
ミューリの無垢で無知な親切心が起こした災いを親たちが尻拭い……しないで丸投げした! セリムを使いに出して残った二人の惚気で終わった。酷いw
結局その後どうなったんだろうか?




狼と白い猟犬
内容:狼と香辛料亭へ審査へ来た異端審問官の話
似た話をつい最近読んだ気が……「のぶ」か。まあ、正体やら魔法やらを隠しているファンタジーものの短編の定番だからね。
小麦はもちろんライ麦も食べたことはあるが、燕麦はどういうものなんだろう? ここまで堅い不味いと言われると興味が出てくる。




狼と飴色の日常
内容:日々の記録を残し始めたホロの姿に村では変な噂が立って
甘い!
いい歳して小学生の幼馴染み男女がしてそうな冒険心と悪戯心を刺激するようなことしやがって……羨ましい!!!
この話は挿絵二枚も大変可愛らしい。




狼と青色の夢
内容:隣の聖地との開通と貨幣不足、ニョッヒラに湧いた秋の難題
うーむ、良く分からん。
偽の葬式の時にも思ったが、作者と自分では死に対する考え方捉え方が根本的に食い違っているように思えてならない。
で、貨幣不足の方は?




狼と収穫の秋
内容:時期外れの団体客は皆、人ならざる者で……
前話で「わかんね」と思った直後にこれか。残される側の考え方はそれほど食い違っていないみたい。たぶん。
人と賢狼の馴れ初めに興味津々で、物言いもストレートな人ならざる者に顔では苦笑しつつ、影でGJ!と親指を立てなくなる。