いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



めしあのいちにち (電撃文庫)

「めしあのいちにち」岩田洋季電撃文庫
めしあのいちにち (電撃文庫 い 5-22)

彼女の名前は“めしあ”。身長は145センチ、体重もおそらく軽い。あやめヶ原学院中等部に通う二年生で、まだ十三歳。見るからに幼く、子どもっぽい容姿をした女の子で、よく笑う。とにかくよく笑う。けれど同時に涙もろくて、嬉しくても悲しくても泣いている。それが殺ヶ原保の義妹、めしあの特徴である。そして、世界で最も特別であろう存在だ。
今日もめしあと保、姉の錬子、妹の蛍雨にとって、いつもどおりの一日が始まる。めしあは縁起物のごとく扱われ、錬子はクールな生徒会長と憧れられ、蛍雨は鬼子として恐れられ、保は女子生徒に怖がられる一日が。そして、めしあを守るためでもあるいつもの一日が──。

世界で最も特別な存在のめしあとそれを守る殺ヶ原家の兄弟達の物語。舞台は現代日本だがある理由により、本当の現代より殺伐としている。


殺ヶ原蛍雨最強伝説ここに開幕!(違っ
蛍雨の普段の残虐性とめしあと保にだけ見せるデレのギャップが凄い。どう見たって174頁と246頁の挿絵は同一人物には見えない。これもある種のヤンデレ
まぁ萌えるかどうかは別の話w


第1話(電撃MAGAZINE連載分)を読んだ時は、もう少し軽い話だと思ったが・・・。
話が進むにつれ、激しく重くなっていく戦闘と明らかになっていくめしあの置かれている状況。そんな中でもえらく暴力的ではあるが常に前向きな殺ヶ原家の兄弟達と、重みを増していくめしあの優しい言葉の一つ一つが心に響く。
今のところ断片的にしか語られていないので世界観が掴みづらいのが難点だけど、最後はそんな事気にならないくらいの感動を与えてくれる。
殺伐としていて暴力的なのに何故か優しくなれるちょっと不思議な物語だった。奇をてらわない王道な展開と涙腺を刺激する上手さと少し行き過ぎた兄弟愛、岩田先生らしい作品だなぁ。