いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「末代まで! LAP1 うらめしやガールズ」猫砂一平(角川スニーカー文庫)

末代まで! LAP1 うらめしやガールズ (角川スニーカー文庫)
末代まで!  LAP1 うらめしやガールズ (角川スニーカー文庫)

本当の《幽霊部員》が見えてしまったために俺は、末代まで祟られるハメになった――。幽霊たちの祟りの罠にはまり《心霊研》に入部することになった俺は、超スピードで疾走する《老婆走》の騎手に。パートナーは幽霊のお岩。気持ちが合わなくてはレースには勝てない!? 決死の特訓、意外なライバル、幽霊と妖怪たちの怪しいレースを切り抜けろ!
恋とババアのデットヒート、スタート!!

第12回学園小説大賞《大賞》受賞作。小説もイラストも作者が担当。


大賞に見合うインパクトや完成度の良さは感じなかったが、普通に面白かった。
なんといっても学園ものなのに幽霊とレースという設定の奇抜さが魅力。また、その無理を押し通す勢いも感じる。
それにキャラが良い。読んでいる分には楽しいが絶対に近くにいて欲しくないアクの強いキャラばかり。それでいてツッコミ役が主人公で定まっているので会話のテンポが良くて読みやすい。
ただ、話の展開がイマイチ。
賞の受賞作なので詰め込みすぎな面はある程度仕方がないとは思うが、後半無理矢理ラブコメに持っていった感じがするのが残念。ああいう終わり方にするなら、お岩さんがデレる過程がもっと欲しいところ。
LAP1ということはLAP2も出すつもりなんだろうから、ヘンテコな部活動とキャラが良いので、この巻は世界観の把握やキャラ紹介で費やしてしまっても良かったような気がする。


イラストは良い意味でも悪い意味でもマンガ家の絵という感じ。でも、もっと雑なイラストレーターもいるしなー
さすがマンガでも受賞暦があるだけあって口絵マンガは気合入ってる。
但し、35ページの挿絵は手の向きが反対ですよw