いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「エアリエル 〜緋翼は風に踊る〜」上野遊(電撃文庫)

エアリエル―緋翼は風に踊る (電撃文庫)
エアリエル―緋翼は風に踊る (電撃文庫)

政府軍と反政府勢力の小競り合いに巻き込まれたカメラマン志望の少年マコト。彼はその危機を、“赤い亡霊”と怖れられる反政府勢力のエースパイロットに救われる。しかし驚くべきことに、そのパイロットは彼と歳の変わらない美しい少女だった──。
パイロットの少女・ミリアムに心奪われたマコトは、その姿をカメラに収めるべく従軍カメラマンとして反政府勢力に合流する。しかも、彼女の自宅に下宿することになったマコトは、ミリアムの秘密──彼女が怪我で2度と歩けないという事実を知ってしまい!? 大空を舞台に、少年と少女の恋と冒険が始まる!


紅の豚ナウシカを少しだけ(キャラの立ち位置や情勢など。殿下っぽい人もいる)混ぜたようなボーイミーツガール。
・・・って、続きものだったのか。どうりでミリアムの過去でがっつりページ数を使ったり、後半になっても話が進まなかったりするわけだ。単発だと思い込んでいたから、どうして色々な問題を投げっぱなしなんだろうと首を傾げたまま最後までいってしまった。
そんな疑問を抱えたままだったからなのか、はたまた主人公にあまり頑張りが見られなかったからか、いまいち乗り切れなかった。
でも、ヒロインであるミリアムの心理描写は良かった。強がってはいても、内心では不安を沢山抱え込んだ危なっかしさや、少しずつ縮まっていくマコトとの距離感で、ハラハラドキドキさせられた。
そんな訳で、ボーイミーツガールの醍醐味を半分は楽しめた。でも、やっぱりボーイミーツガールは男の子が頑張ってくれないとなあ。
マコトの家の問題、レヴァンテの目指す先は?、戦況悪化必至な情勢など、二人の先には困難がいっぱい待ち受けてそうなので、マコトの頑張りは次以降に期待かな。