いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「星とハチミツの存在証明」藤八景(このライトノベルがすごい!文庫)

星とハチミツの存在証明(テスタメント) (このライトノベルがすごい!文庫)
星とハチミツの存在証明(テスタメント) (このライトノベルがすごい!文庫)

かつて一番星光世はヒーローだった母を失った。それから11年、平穏な高校生活を送っていた彼の前に、非日常は何の前触れもなく訪れる。異形の襲撃者から光世を救った、蜂蜜色の髪の少女が差し伸べた手。それは、存在の力“ザイ”をめぐる、証明者(テスタメント)と修正者(コレクター)との終わりなき戦いへの扉だった――! 「俺が、世界を照らす光星(ヒーロー)になってみせる!」超超超・王道学園バトルストーリー、開幕!


この作者が91年生まれってマジか?
大変ややこしい設定に画数が多い漢字+カタカナルビというこれでもかっていう中二病な世界観に、ほぼダジャレな決め台詞や「あああ」や「ーーー」の多用など、やたらとテンション高く無駄に熱い台詞回し。古き良き時代のスニーカーやファンタジアの匂いがするんですが。
さらにストーリーの方も、昨日の敵は今日の味方な展開や、一人ずつ減っていくラスボス戦への道など、往年のジャンプマンガを地で行く王道中の王道でこちらもどこか懐かしさを感じる。
キャラクターは、熱いというより暑苦しい主人公は好き嫌いが別れそう(個人的には苦手)ではあるが、サブキャラのキャラ付けは上手い。特に悪役は、味方になる敵は悲しい過去や漢気を見せて、ラスボスはとことん下種にと書き分けられているので、盛り上がるべきところでしっかり盛り上がる。これでおっさんキャラが一人でもいれば配置的には完璧だったのだが。
そんなわけで、序盤は説明台詞の多さと主人公の性格で微妙だったが、後半は他のキャラの良さと熱い展開でかなり盛り上がった。
古き良きマンガやライトノベルの雰囲気を感じたい人向け。これが今の若者に受けるのかはおっさんにはわからんw