いつも月夜に本と酒

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「覇剣の皇姫アルティーナ VII」むらさきゆきや(ファミ通文庫)

覇剣の皇姫アルティーナVII (ファミ通文庫)
覇剣の皇姫アルティーナVII (ファミ通文庫)

提督代理を任されたレジスの指揮により、ハイブリタニア軍から港町を奪還したアルティーナたち。しかし、敵軍の補給部隊はすでに出発した後だった。帝都を背負った要塞では第二皇子ラトレイユが、策士オズワルドの奇略により苦戦を強いられている。補給を届けさせるわけにはいかない……しかし、敵補給部隊の護衛は傭兵王の異名を持つ猛者だった。果たして、戦争の結末やいかに!? 覇剣の皇姫と読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー第七弾!


国の存亡をかけると言っても過言ではない補給部隊を率いる傭兵王との決戦。
ついにこの時が来たか。
ここまでは、ほぼほぼレジスの思い描く通りに戦況が進んで、そのサクサク感を楽しむのがこの作品のメインの楽しみ方だった。それが今回レジスの作戦を上回る相手が現われてくれた。7巻にしてやっとかという思いが強い。
やっぱり失敗や挫折がないと人として成長しないし、物語に奥行きも出ない。
そしてさらに、1巻以降「お姫様」だったアルティーナにもやっとまともな活躍の場が。
個の勝負の面白さと共に、レジスとアルティーナがお互いをフォローしあえる存在になったのが嬉しい。
戦況が厳しくなっているからしょうがない面はあるが、フラグ立て王レジスの真骨頂はなく、クラリスさんやエリックなどのの出番もなくと、ラブコメ的にはほとんど何もない回だったけど、レジスとアルティーナの転機となる話になっていて、それだけで満足。
衝撃のラストの続きがどう転がるのか、次も目が離せない。