いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「……滾りますっ!!」

インターネッツ国勢調査をやっつけた(`・ω・´)
早くも偽サイトが出てきたみたいだけど、この程度の個人情報漏れても別にねえ。問題ありそうなの企業名くらいじゃない? でも今のご時世、これ以上の個人情報があっちこっちから漏れていくらでも出回ってるでしょ。

「魔導書作家になろう! >ではダンジョンへ取材に行きますか?(はい/いいえ)」岬鷺宮(電撃文庫)

魔導書作家になろう! >ではダンジョンへ取材に行きますか?(はい/いいえ) (電撃文庫)
魔導書作家になろう! >ではダンジョンへ取材に行きますか?(はい/いいえ) (電撃文庫)

雷神魔導書大賞〈大賞〉受賞!!
これで、俺も晴れて魔導書作家になれた!――はずだったのに。アクティブすぎる美少女編集者(※ただし元勇者)のルビに引きずられ、取材と称しては東へ西へダンジョン踏破生活に突入!?
不思議系イラストレーターなオーク美女、厳しすぎるエルフ校閲のお姉さんにまで囲まれて、執筆生活はますます大変なことになっていき……俺はただ便利な魔導書を作りたかっただけなのに、なんでこんなことになっちゃったの!?
読めば魔術が使える『魔導書』が普及しはじめた時代で、危険で楽しい魔導書作家のお仕事ライフがはじまる!

新人作家の苦悩と成長をファンタジーに落とし込んだ物語。



普通に面白かった。でもなあ……。
テンポがよくて読みやすく小ネタにもキレがあって度々笑える文章。キャラクターの数を抑えたことで、それぞれにキャラが立っているのでラブコメとして面白い。また、物書きが書く物書きの話とあって苦労話や業界あるある話がリアルなのも良い。
と、オーソドックスなストーリー構成ながらツボは押さえた内容で、自分の中では概ね高評価だったのだけど、ある一点だけどうしても腑に落ちない。
それがタイトルであり物語の核でもある「魔導書」。最後まで読んでもこれがどういうものか分からなかった。
序盤に魔法の発動に必要なのは3ステップだけと説明されているのだが、後に出てくるエルフの校閲さんの台詞によると230ページ以上ある代物らしい。その魔法の成り立ちから始まって魔法陣の図示と解説、使用例や注意点にモンスター等の対象の挿絵、応用やあとがきまで入れても到底200ページには届かないと思うんだが一体何が書いてあるんだ? それに主人公のしている苦労が魔法の構築であって、物書きの苦労ではないのにも首を捻る。
周りの作りが丁寧なだけに、肝心の魔導書の設定が曖昧で、話の内容と噛み合っている気がしない大きな違和感だけが残念でならない。何で魔導書にしたんだろう。英雄譚を書く作家でよっかたような。