いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「男子三日会わずば、狼さん。ですか」

スーパーボールを最後の数分間だけ観た。で、再放送でこれから観る。
ペイトリオッツは負けたけど、選手の入れ替わりが激しく盛者必衰のサイクルが早いアメリカメジャースポーツ界にあって、毎年強いチームを作ってくる恐ろしいチーム。ブレイディが引退したらどうなるかは知らんけど。

「春は冬の夢を見る」中野雅博(ファミ通文庫)

春は冬の夢を見る (ファミ通文庫)
春は冬の夢を見る (ファミ通文庫)

春先孝太郎は一日先を夢で体験できる能力を持っている。夢の中で一度経験することで、現実の彼は何が起こっても完璧に対処できるようになっていた。予知夢によって危機を回避しながら生きてきた彼はある日、同級生の冬芽木実につきまとわれる夢を見る。孝太郎は木実を避けるべく行動するも、それが通用せず、二人の距離は否が応にも縮まっていく。だがある夜を境に孝太郎は自分達が事故に巻き込まれる夢を見るようになり!?
夢が導く二人の恋物語、登場。

予知夢で明日を見る少年が何故か避けられない少女と出会い惹かれていくラブストーリー。
だと思っていたのだが、予想外の方向に話が進んでいった。予想を覆される読書は基本的に楽しいものなので、大歓迎なのだけど、これは……。
ぼやっとしてる。
結局これはラブストーリーをやりたかったのか、予知夢で定められた明日を変え、運命を切り開くSFをやりたかったのか。どっちも取り入れて、どっちつかずになってしまった感が否めない。
恋愛面では「面倒くさい」から「好き」に変わるのが突然で、予知夢に真面目に向き合ってからは、原因と敵の特定までが早過ぎる。どちらもその過程が一番読みたいところなのに。
あと、いわゆる対ラスボス戦が投げっぱなしで終わってしまっているのも大きなマイナス点。あれだけ壊れていたのに、あの説得と日記で改心するだろうか? ちょっと納得できない。
最近流行りのちょっとSF付ラブストーリーの中でも、設定は目新しかっただけに楽しみ切れなくて残念。恋愛とSF要素、どちらかに焦点を絞って書いてほしかった。




第一章が目次と扉が「春の風」で、ページ数の隣に書いてあるのが「春の嵐」なんだけど(^^;
第二章が「夏も嵐」だから嵐が正解かな。