いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



うさぎの映画館 (電撃文庫)

うさぎの映画館」殿先菜生(電撃文庫
うさぎの映画館

ヒビ割れた手鏡。幽霊つきと噂の姿見、主役不在のアリスのランプ……。
ちょっと不思議な品物が集まる、銀河堂という骨董品店でバイトをしていた静流は、雲井進という少年と出会う。実は、高校の同級生でもあった雲井とのこの出会いが、静流の心に小さな波紋を生み、やがて思わぬところに、彼女を導いてゆく……。
小さな店が軒を連ねる商店街。その先には、ぬいぐるみの『はーさん』が迎えてくれる映画館。それは繰り返し彼女が見る夢……。
静かに紡がれる、夢と現実をつなぐ物語。

要約すると『耳をすませば』の地球屋のような骨董品店でバイトする一人の少女がある出会いと夢をきっかけにトラウマを乗り越え前を見て歩き出す話かな。


なんかこうふわふわした話だった。
これといって不思議なことは何もないしこれといった事件も起きない、もの凄い現実的な話。なのに静流ののんびりした性格が作り出すまったりとした空気のせいで、なんだかずっと夢の中にいるような錯覚すら覚える。そんなふわふわした中に心に沁みる言葉(第三章の鳴海の台詞は秀逸)もあったりで、ギスギスした心*1を一気に洗い流してくれた。いいタイミングでいいものを読めて幸せだ。
まったりほんわかした気分に浸りたい人にはオススメ。


最後の最後にサプライズあり。見事に騙された人がここにσ( ̄∇ ̄;)w

*1:昨日はいろいろあったのですよ