いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



カタリ・カタリ―トキオカシ〈2〉 (富士見ミステリー文庫)

カタリ・カタリ萩原麻里富士見ミステリー文庫
カタリ・カタリ―トキオカシ2 (富士見ミステリー文庫 80-2)

時置師(トキオカシ)――古事記に登場する神の血をひく、人でありながら人ではない不思議な血族。運命的に定められた恐ろしい呪縛は途切れることなく時置師たちを苦しめる。
そんな時置師のひとりで絶世の美少女である観池眞名の〈対〉として生まれてきた藤沢誠一は、その証である『時の輪』を左の薬指に持つ。
しかし。その眞名は生まれてくるはずのない〈十一人目〉だったのだ!
誠一は眞名の〈対〉として、時置師の呪縛に立ち向かう決意をする。
時置師の存在意義とは? 十一人目の謎とは? 時置師の背負った呪縛に終わりはあるのか?
運命によって一緒にいることを定められた少年と少女は「時間の旅」――自分探しの旅を通じて絆をさらに深めていく。
すべての謎が明らかになる激動の完結編!!

あらすじには完結編とあるけど、ラストもあとがきも終わった感じは全くなし。編集が勝手に付けたんじゃないのか?


やっぱりこのシリーズは面白い。でも・・・バランス悪っ!
半分は少年少女の成長と恋愛を描いたタイムスリップものだったけど、もう半分は設定資料集のようだった。
現代にいる時は調べものをしたり、他の時置師たちに会ったりで時置師の説明ばかり。キャラの口で語られているだけでまさに設定資料集。色々設定を煮詰めてあるは分かるのだが、あまりの量に無理やり詰め込んだようにしか見えない。
でも、過去にタイムスリップしてからの内容は素晴らしい。タイムスリップ先で巻き込まれた事件も恋愛がらみで前回よりラブ大幅増量がかなりいい感じ。その中でも眞名の描写が秀逸。普段凛としている彼女の予想外に行動的な姿は印象的だったし、キャラに合わない嫉妬と独占欲のかわいいことかわいいこと
ホントにこれで打ち切り完結なのかな。時置師がまだ半分しか出てなかったり、時置師の行く末も言葉で語られただけだし中途半端な事柄が多すぎる。(美浜問題が宙ぶらりんなのも気になるな)折角いいキャラと考え込まれた設定なんだから、もっと長期スパンで考えてくれていて謎の解明も小出しにしてくれれば絶対面白いシリーズになったに。あ〜もったいない。