いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女森見登美彦角川書店
夜は短し歩けよ乙女

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった!

京都を舞台に女子大生の「黒髪の乙女」と彼女に一目惚れした「先輩」の物語。ちょっと不思議な出来事が起こったりするのでかなりライトノベル風味なお話。


面白かった!というか楽しかった!!
全部で四章からなる短編連作で、どれも「縁は奇なもの味なもの」といったお話。中でも『第一章 夜は短し歩けよ乙女』はツボだった。こんな話されたら酒が飲みたくなるじゃないか! ということで、深夜1時半から飲み始めたばか者が一人w
なんといっても天然で世間知らずで好奇心旺盛な黒髪の乙女のかわいらしさが最大の魅力。彼女のあぶなっかしい姿にハラハラ、ドキドキ、ワクワクの連続で、作品にのめり込むと同時に彼女に呑まれた感じだった。また、先輩の行動もちょっとストーカーチックだけどコミカルで面白い。それに男なら共感せずにはいられない言動が多くて苦笑を含め笑わずにはいられない。
微妙にズレた感性、独特な言い回し、淡くて柔らかい恋心の表現、いろいろひっくるめて全部好き。


森見さんの他の作品も探してこよう。