いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



魔女を忘れてる (Style‐F)

魔女を忘れてる (Style-F)小林めぐみStyle-F
画像なし

「――魔女が帰ってきた」
その言葉を最後に福井伸也が殺された。腕と心臓を切り落とされて……。伸也のメッセージを聞いた永田路洋は、町で起きている殺人事件と幼い頃の忌まわしい記憶との関係に恐怖する。
――あの時の“魔女”が生きている?
現実と仮想の狭間から浮かび上がる少年少女たちの、哀しい歪んだ生き方……。
鮮やかな筆致で描き出される幻想ミステリー。

あらすじには幻想ミステリーとあるけど、幻想ホラー
作者買いたっだんだけど、あとがき以外は別人と言っていいほど作風が違ってビックリ。


とにかく恐怖の煽り方が実に上手い。
情報があまり出てきてない前半は、主人公を怯えさせることで得体の知れない恐怖(人間は正体のわからないものに恐怖を感じるものである)を煽り、後半は魔女によって視覚的に(といっても文章だけど)恐怖を煽る。
それに主人公達の追い込み方がえぐい。魔女が出てくるまでは疑心暗鬼の連鎖で真綿で首を絞めるように追い詰め、魔女が出てきてからは一気に突き落とす感じ。後半の怒涛の“攻め”は目が離せない。
また、少年少女たちの不幸な生い立ちも物語を異質なものにしている。特に双子の古屋姉妹の壊れっぷりが異質さを強調していると思う。


情報を小出しにして、常に次に明かされる秘密が気になるような作りにして物語に引き込み、読み出したら止まらせてくれない非常に完成度の高いホラー作品・・・・・・だと思う。というのもホラーはやっぱり性に合わないみたい。楽しみ方がよく分からないんだよな(^^;