いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



イメイザーの美術 (ガガガ文庫)

「イメイザーの美術」灰原とう(ガガガ文庫
イメイザーの美術 (ガガガ文庫 (ガは2-1))

弟の祐の世話にかこつけて、できたばかりのお絵かき教室『アトリエファミーユ』を訪れた真深。彼女はそこで、子どもはみな魔法使いなのだと言う不思議な少女、砂夜と出会う。天使のように無邪気な笑顔、魔女のようにやさしく大人びたほほえみ。砂夜の魅力に惹かれる真深。それから二週間後、祐のクラスの生徒全員が図画工作の授業中に突然消える事件がおきる。祐の絵をあやしくみつめ、砂夜は言う。「これはいのちの美術。無垢なるたましいの魔術」。
秘密の美術協会《ジェルミナスィオン》と怪獣画伯のまー君を巡る三編の物語。


なんとも捕らえどころのない作品。
子供の想像力がそのまま世界に影響を及ぼす物語・・・でいいのかな? この辺の設定がアバウトなのが捕らえどころのない原因か。三編とも主人公が違うところをみると、この世界観を書きたかったんだと思うんだけど、それにしては統一感がない。不思議な現象はもっと限定した方が良かったのでは?
結局最後まで、どうやって楽しめばいいのか分からないまま終わった感じだった。


以下各話毎


第一話 天使と悪魔
これが一番読めたかな。
ませた少女と天真爛漫な少女の小学生らしい交流が微笑ましい。


第二話 革命前夜
この作品の世界観を大人の女性がダラダラと説明しているだけ。
世界観の説明は当然必要だけど、もう少し楽しく読ませる工夫がほしい。


第三話 イメイザーの美術
言っちゃ悪いがアクションの出来は酷い。それに冒頭の変態少年はなんか意味があったんだろうか?
あまり戦わせないでまー君や砂夜と怪獣との心の交流に重きを置けば、いい話になっただろうに・・・