いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈3〉死の礎は生 (電撃文庫)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3 死の礎は生」入間人間電撃文庫
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 (3) (電撃文庫 い 9-3)

バレンタインの季節。街では、複数の動物殺害事件が発生していた。
マユがダイエットと称して体を刃物で削ぐ行為を阻止したその日。僕は夜道で死んだはずの妹(多分)と出会う。
そして妹っぽいものに遭遇した翌日。
僕は学校の朝礼で知る。無自覚の悪意の伝染について。
三ヶ月の短い静穏へ精一杯の反抗を示す惨殺死体事件。最悪な、殺人街としての街興しが、再び始まったらしい。
あー。この立て役者は、僕の妹(暫定)なんだろうなあ、きっと。
……口癖の出番は、あるなら早めによろしく。


本編がバレンタインってことでこの本をチョコレートに例えるとすると、カカオ99%のチョコレートかな。口に入れたときの違和感といつまでも口の中に残る不快感がよく似ている・・・気がする。
壊れ度は過去3巻で文句なしに最高レベル。
みーくんとまーちゃんは壊れ具合を増していて、みーくんの周りの同級生は頭の中身がファンタジック(悪い意味で)。そして初登場のみーくんの妹はまーちゃんとは別タイプのニューヤンデレキャラ。・・・要するにまともな人間が一人も出て来ない。ファンタジーじゃないのにファンタジーより現実感ないのが凄い。妹にはレギュラー化して欲しかったけど1回で退場か、残念
さらに文章の“言葉遊び”具合も大幅アップ。それが一人称のみーくんの更なる壊れ具合を強調している。おまけに後味もかなり苦め。
「面白かったか?」と聞かれても「つまらなかったか?」と聞かれても首を傾げるしかない、なんとも形容し難い作品。


ちなみに今回はカバーの裏はあまり怖くなかったけど裏表紙が違う意味で恐ろしい。チョコに何入れてるんですか、まーちゃん