「福音の少年 王立図書館十字軍」加地尚武(徳間デュアル文庫)
闇の王子により、ホムンクルスから人間になってしまった少女・アナ。彼女の魂は、太古から生き続ける愛の女神だった。平凡だけれど、魔法使いの最高位“ウィザード”の称号を持つ、大好きな少年・恵と一緒にいたいと願うアナ。しかし、彼女の思いとは裏腹に、その存在をめぐり、人々、世界、いろいろな思惑が錯綜する。同じ頃、書架世界では、本を焼きながら進軍する兵士たちが、女神たちを危険な状況に追いつめていた。この世界と書架世界の関係とは? そして、アナたちの運命は?
う〜ん、今回はちょっとなー。ラブ要素限りなく薄めなのはまぁしょうがないとして、終わり方が頭に「?」しか浮かばないんだけど・・・
今回は突如現れた書架世界の出来事と現実世界の出来事が平行して進んでいく。なんだか分からないままいきなりのピンチに物語に引き込まれていく書架世界とアナの成長を見守る現実世界。手に汗握る展開とこの作品の醍醐味である日常のシーンを緩急いいバランスで楽しめる。そして明かされる書架世界の正体と現実世界との繋がりに驚きと感動を味わる。その後も「敵の真の目的は?」とか「アナはどうなっちゃうの?」とか、ワクワクしながら読み進めていくと・・・
以下一応伏せ
えっ!? なにこの終章。何でいきなり2ヵ月後になってるの?
いつの間にやら人ん家前の坂でにらみ合っていた魔法使いとインヴォルヴド・ピープルの面々は、何がきっかけでそうなったのか、その後どうなったのか分からずじまい? そして何よりミリザキスが目的を達した後、世界はどうなったの?
次巻で説明はあるんだろうか? あとがきを読むとそんな感じはしないんだけど・・・謎は残るばかり。