いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



東京ヴァンパイア・ファイナンス (電撃文庫)

東京ヴァンパイア・ファイナンス真藤順丈電撃文庫
東京ヴァンパイア・ファイナンス (電撃文庫)

真夜中に出没し、超低金利で高額融資をする<090金融>ヴァンパイア・ファイナンスを営む万城小夜。今夜も獲物=融資客を求めて蠢く。
デート終わりの送りオオカミをめざす日野健壱。
性転換手術をしようとしている大田美佐季。
振り込め詐欺グループに復讐を目論む〈やえざくらの会〉の老人たち。
ドラッグ・デザイナーを辞めたがっている濱田しずか。
都会のアンダーグラウンドで息する彼らは小夜に出会い、融資をうけるかわりに自身の問題に首を突っ込まれまくる。そして、債務者それぞれ衝動や欲望をフルスロットルにし、ひしめきあって無限に増殖するのだった──!!


どうしてもお金が必要な4人(特殊な事情の人多し)が、貸した本人 万城小夜に振り回される物語。
かなり奇抜でアクの強い話が4つも平行して展開されるので、どうやって一つにまとめるんだろう? 綺麗にまとまったら気持ちいいだろうなと思って読み進めたら・・・・・・
この構成で何で物語が一つに収束しないんだよっ!?
しかもなんなのこの中途半端な終わり方。万城小夜の使い方が下手。裏であれこれやってた時はもの凄い存在感なのに、最後の最後に突如にメインになって存在感がなくなるという稀有な例を見せてもらった。これなら4つを完全に分けて普通の短編集形式にしてくれた方がまだ楽しめただろうに。
中盤まで面白かっただけに終盤のぐだぐだぶりに裏切られた気分。