「ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック!」新井輝(富士見ミステリー文庫)
「有馬君は一年前に死んでいたはずだった」
病院へ駆けつけた健一は、刻也の言葉を信じることなど出来なかった。
「……死?」
その単語だけが健一の心に残った。
冴子とは毎日のように一緒に寝ていた。
他の誰より自分は冴子と話をしていたはず。
そのせいで現実との齟齬があるのを感じずにはいられない。
やがて、病室にひとり招かれた健一は冴子と面会し、彼女の思いを聞くうち『誰とでも寝る女』の真相に気づく。が、時既に遅く、冴子は最後のお願いをしてこの世を去る――。
しかし別れはそれだけではなかった。綾も13階から出て行くことを心に決めていたのだ。時を同じくして刻也もある決心をしていた……。
健一の失われた恋愛を探求する物語、感動のフィナーレ! 完結記念の後日談もどうぞ。
最終巻なのに自重できませんでした。そして盛大に脱線しました。ご容赦をm(_ _)m
★――――――――★ | ☆.祝.☆ | |. 最 終 巻. | ★――――――――★
鈴璃「はいはい、来てやったわよ」
新型「・・・うっうっ」
鈴璃「へ? なんでいきなり泣いてんの?」
新型「ぞ、ぞれは」
鈴璃「そんなに有馬冴子が亡くなったのがショックだったの?」
新型「それはもちろん悲しいですが、予定通りだったのでそこまでのショックは」
鈴璃「じゃあなんで?」
新型「プロローグの富士ミス自虐ネタがあまりにも悲しくて、うっうっ」
鈴璃「え? そこっ!?」
新型「この数字の生々しさと、先生自ら著書をパロって自虐する痛々しさ、こんなの涙なくしては読めません!」
鈴璃「いや泣くようなことじゃ・・・」
新型「だってこれでレーベル自体が終わりなんですよ」
鈴璃「まあ、そんなことどこにも書いてないけど、事実上そうよね」
新型「ミステリー文庫なのにLOVEを掲げる剛の者が戦場を去る。哀愁を帯びた背中が目に浮かぶようです」
鈴璃「・・・ああ・・・そう」
新型「思い返すと私と富士ミスとの出合いは『ハード・デイズ・ナイツ』シリーズだったと思います」
鈴璃「うわ、いきなりなんか語りだした」
新型「次にパッと思いつくのは『東京タブロイド』ですね。猟奇王には何度笑わせてもらったことか」
鈴璃「・・・ついていけない」
新型「まぁどちらも途中で面白くなくなって切ったんですけど」
鈴璃「お゙い゙。せめて自分が面白いと思ったものを上げなさいよ」
新型「それもそうですね。富士ミスといえばやっぱり『食卓にビールを』ですね。あのゆるさが大好きです」
鈴璃「・・・へー」
新型「初期で傑作だと思っているのは『ブラインド・エスケープ』ですね。終始追われているという緊迫感と疾走感がたまりません。それにまだLOVEを打ち出す前なのにしっかりとLOVEを完備。ヒロインのお嬢様の健気な姿が萌えます」
鈴璃「・・・。」
新型「LOVEを掲げた後だと『ニライカナイをさがして』が最高でした。奇をてらわない真っ直ぐなボーイミーツガールものです」
鈴璃「・・・(プルプル」
新型「それかr・・・って、あれ? どうしました鈴璃さん」
鈴璃「いつになったらこの作品の話が出てくるのよっ!」
新型「はっ!そうだった」
鈴璃「話が繋がると思ったから我慢して待ってたのに!」
新型「すみません。完全に忘れてました」
鈴璃「・・・帰るわ」
新型「ちょっまっ。富士ミスの最高傑作は『ROOM NO.1301』に決まっているでしょう。言わずもがなですよ、はっはっはっ」
鈴璃「・・・(じとー」
新型「まあまあ」
鈴璃「ったく、これだからオタクは」
新型「んー、それは否定しませんが、人間誰しも自分の好きな分野の話になればこんなもんでしょう」
鈴璃「そうかしら。そんなことより早く話を元に戻しなさいよ」
新型「そうですね。えーと、ついに最終巻を向かえてしまったわけですが」
鈴璃「そうね」
新型「そうそう鈴璃さん、最終巻にして鈴璃さんが健一が嫌いなのが理解できました」
鈴璃「そうなの?」
新型「ヤツは最低野郎ですね」
鈴璃「そうよ、刻也君を悪の道に引きずりこもうとする極悪人よ!」
新型「え、そっち?」
鈴璃「男も女も手当たり次第なんて汚らわしい」
新型「えっいや、そんな事実は・・・」
鈴璃「それに比べて刻也君の誠実さといったら」
新型「いやまあ、確かに今回の八雲さんは男らしくてカッコよかったですけど」
鈴璃「でしょ!」
新型「近い近い」
鈴璃「うんうん。やっとあんたにも刻也君の良さが分かったか」
新型「いや、そういう話をしたかったんじゃなくて、最終巻での健一のヘタレっぷりを」
鈴璃「ヘタレ? やなヤツだけど絹川はへタレとはちょっと違うと思うけど」
新型「それが冴ちゃんが亡くなった後の凹みぶりが凄かったんですよ」
鈴璃「それは近しい人が亡くなれば当たり前なんじゃない?」
新型「もちろんです。何に対しても達観していた健一が初めて見せた感情の変化だったので、むしろ喜ばしいことではあったんですが」
鈴璃「随分好意的な意見じゃない。なんで最低になるの?」
新型「凹んだ後の女々しさもなかなか酷かったですが、千夜子ちゃんに対する態度が最悪でした」
鈴璃「大海さんと何かあったの?」
新型「エピローグ前、十七話のラストは彼女に全てを打ち明けるシーンだったんですが」
鈴璃「それで?」
新型「彼女から見ればあんなに酷いことをされていたのに、千夜子ちゃんは底知れない寛大さで許すわけです。鈴璃さんなら即刻処刑レベルですね」
鈴璃「・・・なんか一言多いわよ」
新型「そんな彼女の問いに対しての、健一の「・・・たぶん」には殺意が湧きました。女の子にあそこまで言ってもらってあの煮え切らない答え。万死に値します」
鈴璃「ふーん、それで最低野郎だって言ったのね。確かに絹川みたく女の子にだらしない男は最低よね」
新型「なんか認識がずれてるような・・・まぁいっか。それにしても千夜子ちゃん本当にいい娘だ。健一には持ったいない」
鈴璃「その意見には全面的に賛成ね」
新型「しかもあのサービス精神。最終巻の表紙はわざとパンツ見せてくれてるようにしか見えない」
鈴璃「・・・感心した私がバカだった」
新型「さて、そんな千夜子ちゃんとロリ巨乳コンビを組む鈴璃さん」
鈴璃「はあ? なにそのコンビ?」
新型「またまた、エピローグは二人で頑張ったじゃないですか」
鈴璃「それはそうだけど」
新型「素晴らしい演出でしたね。あれのおかげで綺麗にまとまって感動しました」
鈴璃「ふふん、そうでしょう。もっと誉めなさい」
新型「まぁその後、それを新井先生がものの見事にぶち壊すわけですが」
新型「ああ、あの変なあとがき」
鈴璃「いえ、エピローグとあとがきの間に後日談がありまして」
鈴璃「えっ?なにそれ」
新型「その斜め上な内容に可笑しいやらこの作品らしくて妙に安心してしまうやらで、エピローグの感動がどこかに飛んでいってしまいましたよ」
鈴璃「キ――――。あの野郎、私と大海さんの努力を何だと思ってるのかしら」
新型「まあまあ、あれもあの綺麗なエピローグがあったからですって」
鈴璃「そ、そう?」
新型「エピローグと言えば千夜子ちゃんのあの反応ですけど」
鈴璃「ん? あの反応って?」
新型「健一とエッチしたかという話題です」
鈴璃「ちょっと、綺麗って誉めたくせに取り上げるところはそこなの?」
新型「そりゃあそういう作品ですから」
鈴璃「・・・微妙に言い返せない」
新型「やっぱり「そ」に続くのは「そんなことは・・・」ですよね」
鈴璃「し、知らないわよそんなこと」
新型「そしてあの反応から考えると、初めての時に健一に例のスイッチが入っちゃって気持ちよくて、その後も・・・って、ん? 鈴璃さんそんなに顔を赤くしてどうしました?」
鈴璃「せ、セクハラよ――――――――っ!!!」
新型「あぶなっ。早くも殺されるところだった。まぁまぁ落ち着いて落ち着いて」
鈴璃「誰のせいよ!」
新型「エピローグの時点ではそんなことに赤くなる年でもないでしょうに。で、鈴璃さんは刻也君とはどうなんですか」
鈴璃「なっ!」
新型「ほれほれ、言うてみ言うてみ」
鈴璃「キェ―――――――――」
新型「ひー、危ないから危ないから」
――追いかけっこをしていますので、しばらくお待ちください――
新型「さて、これで終わりです。はぁはぁ」
鈴璃「そ、そうね。はあはあ」
新型「作品終了と同時にこのコーナーも終了なわけですが、何か一言ありますか?」
鈴璃「特に無いわね」
新型「・・・冷たい」
鈴璃「そりゃ来たくて来てるわけじゃないし。あんたこそ何かあるんじゃないの?」
新型「はい。これで鈴璃さんともお別れかと思うと嬉しくて嬉しくて。ううっ」
鈴璃「な ん で す っ て!?」
新型「え? はっ、ついうっかり本音が漏れてしまったのか?」
鈴璃「そうね、私も嬉しいわ。これで今生の別れだと思うとね。ふふふ」
新型「ちょ、それはまさかのエス○リボルグ? それはいろんな意味でまずい」
鈴璃「大丈夫。復活の呪文は知ってるわ。私には使えないと思うけど」
新型「しまった! さっきので逃げる体力が――」
鈴璃「きええ―――――――――――――――――――!」
新型「ぐぎゃ――――――――――――――――――――!」
新型、鈴璃の攻撃で絶命
〜黄泉の国で独り言反省会〜
故新型「オチがネタに走った上にgdgdすぎるorz そして相変わらず繋ぎが下手だなぁ・・・細かいことは気にしないことにしよう」
故新型「そういえば番外編が違うレーベルから出るようなことを10巻のあとがきで言ってたような・・・うん、書き直す気力がないからこれも気にしないことにしよう」
故新型「それにしても赤面すずりんは可愛かったなー。やっぱりいじりがいのあるキャラだなぁ鈴璃さん。怒らせればオチがつくというのも楽でいい・・・ん? 何の音だ?」
ウィィィ―――――――ン
鈴璃「ダ――――――イ」
故新型「ちょっ、こんなとこまで? てかチェー○ソー?」
鈴璃「きええ―――――――――――――――――――!」
故新型「ぐぎゃ――――――――――――――――――――!」