いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



あやかしがたり (ガガガ文庫 わ 3-1)

あやかしがたり渡航ガガガ文庫
あやかしがたり (ガガガ文庫)

妖怪、もののけ、魑魅魍魎……「あやかし」たちが跋扈する、その昔。江戸にて剣の修行に励む新之助は、剣の腕は抜群だが、心は内気な悩める若侍。帰郷の道中、新之助は「拝み屋」と名乗る怪しい男・ふくろう、そして不思議な力を持つ娘・ましろと出会い、一緒に故郷の山手藩に行くことに。しかし、藩には「あやかし」がらみの陰謀が起きていた……。敵か味方かあやかしか、犬神、化け猫、呪術、剣術が入り乱れ、火花を散らす侍エンターテイメント、いざ!
第3回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞を受賞した時代活劇ライトノベル


超変化球投手のガガガ文庫の大賞作品という肩書きと挿絵の雰囲気で絶対アクの強いものが出てくるものだと思っていたら・・・
あれ? 読みやすくて普通に面白いぞ。
舞台はガッツリ時代小説だけどキャラはちゃんとライトノベルらしく会話も軽くて堅苦しさはない。伏線の張り方も回収のタイミングも上手くて常に先はどうなるんだ?と思わせてくれるし、妖怪の問題だけじゃなく人間の問題(藩の財政やお家騒動等)を絡めても、焦点がぼやけたりカオスになったりしない新人とは思えない完成度。
逆にもう少しアクが欲しいくらい。ここは!という特筆する点がないほど綺麗にまとまりすぎているのが唯一の欠点かも。あえて挙げるなら田町の顔か?w
強烈なインパクトはないけど、安心して楽しめる作品。