いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



本日の騎士ミロク1 (富士見ファンタジア文庫)

「本日の騎士ミロク1」田口仙年堂富士見ファンタジア文庫
本日の騎士ミロク1 (富士見ファンタジア文庫)

「あのー、ビスマルク隊長」「なんだ」
「……本当にここ、騎士団なんですか? どうして俺には、いや、この隊のみんなには剣が支給されてないんですか!?」
俺、剣バカのミロクはバイトをクビになって困ったところ、ジルサニア王国騎士団にもぐりこむことに成功! 式典で見かけたジェルメーヌ姫の美しさに衝撃を受けたまま。「赤目隊」に入ることに。
ウサギの隊長ビスマルクや同僚の豪傑アーニィ、不思議ちゃんフェリサといった変なヤツらにしごかれるうち、ジェルメーヌは超ガサツな少女ジュジュと知ってガックリ、帯剣はダメと言われ大憤慨。さらに国外へのパシリを命じられた俺はブチ切れて――!?

吉永さん家のガーゴイル」の作者により剣と魔法のファンタジー


濃いキャラと読みやすさ、そしてハートフル。さすがガーゴイルの作者というそつのない内容。
一押しはサブヒロインたち。
メインのジュジュは子供っぽすぎてどうかなと思う面が多々あるが(ジュジュのやり方では猪突猛進バカじゃなくても怒るって)、サブの元気娘アーニィと寡黙娘のフェリサが可愛い。アーニィは時々見せるヤキモチが、フェリサは方言と予想外の笑顔がツボだった。やはりギャップ萌えはいいね。
もう一人(一匹?)忘れちゃいけないのがビスマルク隊長。
イカし(レ)たウサギである。その生き様はイカし(レ)てるとしか表現の仕様が無い、惚れるw
内容も前半のほのぼのから後半の激戦へと盛り上げ方も上手いし、主人公のミロクを中心に誰が何を考え思っているかが丁寧に描かれているのでわかりやすくて面白い。特に後半のアクションよりも人間の心情を中心に描く戦闘シーンが好み。敵兵の恐怖心を前面に出したことでミロクの凄さが伝わってくる。
文句なしで面白かった。1巻はミロクの変化だったから2巻は姫の成長に期待。